『MUSIC AWARDS JAPAN -2025/KYOTO-』。
主要6部門 Top Global Hit From Japan。
世界でヒットした日本の楽曲 を讃える賞です。
日本国内の視聴数を除くストリーミング、ダウンロード、M.V.視聴データ をも100曲を選定。
第一次審査は世界最大の音楽ストリーミングサービス『Spotify』の海外一般リスナー の投票で ノミネート5作品 を決定する。
今回のノミネートは下記の5曲。
▷『It’s Going Down Now』 Lotus Juice / 高橋あず美
ヒップホップ・ア-ティスト『Lotus Juice』と、ジャズやR&Bの影響を受けたソウルフルな歌声が魅力の『高橋あずみ』のコラボ楽曲。
ゲーム『ペルソナ3 リロード』のバトルテーマ曲で、Lotus Juice の疾走感あふれる英語詞ラップと、高橋あずみの力強いヴォーカル(英語詞)が掛け合わせるように仕掛けてくるストームのようなエネルギッシュな楽曲。
イギリス、ブラジル、アメリカ、南アフリカの4か国でチャート1位を獲得。海外ゲーマー一押し!
▷『WOKE UP』 XG
XGは、韓国拠点で活躍する日本人7人組ヒップホップ/R&Bガールズグループ。アグレッシブで力強い英語詞ラップを、重厚なベースラインとエレクトリックなサウンドが生み出すダークでスタイリッシュなビートに乗せて展開する。
XGのプロデュースはJAKOPSこと パーク・ジュンホで、英語詞ラップとダンスミュージックを掛け合わせ、K-POPの進化形を目指している印象を受ける。
XGのアイデンティティを強く打ち出した一曲。
▷『アイドル』 YOASOBI
Billboard Global Excl. U.S.チャートで日本楽曲として初めて1位を、Billboard JAPAN Hot 100 でも年間1位を獲得した。公式M.V.視聴回数は5億回を超え、レコード大賞でノミネートさえ見送られた際は避難の声が溢れた。
アニメ『推しの子』のオープニングで、原作者・赤坂アカ書き下ろしのスピンオフ小説『45510』を元に制作。
アイドルの光と影を描く歌詞は秀逸。ゴスペル調のイントロと、ヒップホップ要素をとり入れたリズミカルなメロディも印象に残る。
▷『死ぬのがいいわ』藤井風
Spotifyバイラルチャートでは世界73か国でランクイン、タイやインドをはじめ23か国で1位を獲得した楽曲。
昭和歌謡の影響が色濃いメロディと、現代的なトラップ風ビートが融合した特徴的な楽曲だが、秀逸なのは歌詞。
印象的なのは『あなたとこのままおサラバするより、死ぬのがいいわ』というリピート・フレイズ。
風 自身が「『あなた』とは『自分の中にいる理想の自分』」と語っており、自らのアイデンティティあっての自分という強い意志が伝わってくる。
▷『真夜中のドア -stay with me-』松原みき
1975年11月リリースの松原みきのデビュ―曲。
作詞・三浦徳子、作曲/編曲は林哲司。
シティポップの代表曲としてスマッシュヒットした楽曲。
2020年頃からSpotifyやYouTubeを通じ、海外でバイラルヒットし、今回のノミネートとなった。ジャズやフュージョンの影響を受けたAOR風の楽曲で、恋人への未練と別れの切なさをハスキーなヴォーカルが印象に残る。
特に東南アジアや欧米で人気が高く、近年の海外での昭和シティポップ・ブーム人気の草分け的存在。

大本命はやはりYOASOBIの『アイドル』か?
個人的には、 Lotus Juice / 高橋あず美の『It’s Going Down Now』を推したいが、ゲーム音楽と云うことでファンが偏るかもしれない。
藤井風の『死ぬのがいいわ』は、方言で綴られた歌詞と、独特のミュージックセンスが印象的。
歌詞がわかるとこれほどツボにはまる楽曲も珍しいと思うが、このエッセンスがなぜ海外の人々に伝わったのか、おじさんにはよくわからない。
『WOKE UP』は個人的には平成後期のダンスミュージック・ブームとK-POPの影響が強い楽曲に思う。
ぶ厚い支持者層に加える、浮動層の取込に期待と云うところだろう。
『真夜中のドア -stay with me-』の復活は昭和歌謡ファンにはうれしいところ。
シティポップ人気復活で、当時はシティポップを毛嫌いしていた層も聴き始めている。
忘れ去られた文化が海外で再発見され、逆輸入のかたちで日本で復活するのは文化交流の長所だし、現在のSNSやネットで繋がった社会を印象づける出来事だと思う。
大穴というところだろうか?
