2025年4月16日発売の演歌『泣きむし酒場鳥 / 夫婦綱』が大阪を中心に順調なスタートを切っている。
歌っている歌手・渋谷有美さんは繊細で情感豊かな歌唱で定評がある歌手だ。
2020年の『おんなのグラス酒 / ほたる恋』から、『旅笠しぐれ / 一志のおんな』『鞆の浦恋唄 / 津軽じょんがらはぐれ旅』、そして今回の『泣きむし酒場鳥 / 夫婦綱』と確実に階段を上ってきている。
人柄と大阪人特有のトークの腕もあいまって、一度ついたファンは離さない。
作詞・作曲は、『愛染のれん(中村美律子『ふうふ』両A面曲)』でソングコンテストグランプリ最優秀作詩賞を受賞した羽場新一郎先生。
先生とは何度か直接お話する機会を戴いたが、柔和な笑顔の奥に昭和の気骨をたたえた方である。
(たぶん)奥さんのことが大好きで感謝もされているようだが、照れ屋さんで、それをうまく表現できないし、表現すべきとも思わない。
「わかっているだろ、なぁおまえ・・・」のノリである。
『泣きむし酒場鳥』『夫婦綱』ともに女性視点の歌だが、そこには「わかってくれよ」という男の願いが込められてる。
こういう昭和の男を支えてくれる女はまだいるのか?
言い換えれば、支えたくなる男に私たちはなれているのか?
思わず考えさせられてしまう。
近年はテレビだけでなく、ラジオでも、演歌番組がめっきり少なくなった。
私は演歌だ、ポップスだ、ロックだとジャンル分けするのは、今どき時代遅れだと思っている。
クロスオーヴァーの時代だ。
好きな歌に出会えれば、「俺は、私はこの歌が好きだ」それで十分ではないだろうか?
この『泣きむし酒場鳥』『夫婦綱』だけでなく、ジャンルにこだわらず、いろんな歌を聴いてもらえたらいいな、と実は思う。
思わぬ出会いがあるかもしれない。