石川さゆり『棉の花』いい歌です

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カラオケDVDの新譜情報を見て、「アレッ?」と思った。
『弥栄ヤッサイ』ではなく『棉の花』が収録されている。
小林幸子さんの『おもいで酒』欧陽菲菲の『ラブ・イズ・オーヴァー』など発売後にA面とB面がひっくり返った例もあるが、CD時代には稀だ。

棉(綿)の花

棉(綿)の花

めずらしいな、と思い、まず聴いてみた。

棉の花 / 石川さゆり
【作詞】もず唱平
【作曲】浜圭介
【編曲】矢野立美

収録CDはこちら

いい『歌』だと思った。
てらったところがない。
わかりやすい言葉で、優しいメロディーで、口には出さない一番、純なところを歌っている。

口に出してもせんないことや 思わずあふれ 唄になる

『棉』というのは『綿(わた)』のまだ種もついている植物の状態を指す。

本来『綿』になると繊維の状態で、衣類や布製品の原料を指していた。

戦後の国語施策で「どっちも同じ」となったが、もず先生は敢えて『棉』を使われています。

八尾一番の器量よしだった姉は、19で大阪の町に出てきた。
いろいろあって今は夜のネオン街で働いている。
そんな彼女に十五になった妹が手紙を呉れた。
裏の畑で棉の花がやっと咲いたという。
お姉ちゃんはこの棉の花みたいだね、無垢で可憐だ。世間知らずの妹はいうけれど・・・
私だって何も知らなかったあの頃に戻りたい。

石川さゆり 演歌・歌謡曲ベスト - ヒットソングと懐メロカバー(CD2枚組)

石川さゆりベスト&カヴァー

そんな歌だろうか。

難波新地の 紅い灯に
身を染め 世過ぎしてきた私

文字で書けばたった二行だ。
たった二行が、歌にすれば、彼女が歩んだ年月になる。
クリーム色で、少しピンクがかった綿の花畑で、真っ直ぐに育った無垢な女の子。
それが夜の町で酔客の相手をし、よくもわるくも大人の女性へと変わっていく。
今も昔の姉ちゃんだと信じて慕ってくる妹の手紙が、うれしい一方で胸に痛い。
自分にもこんな時代があったと懐かしむ。

昭和、と云えば昭和だが、今もそんな思いを抱えて生きている人もいるだろう。
パリピだ、経済発展だ、前向きな人生だ、景気のいい言葉で浮かれるマスコミや政治家。
そんな世間に疲れている人もいるのではないだろうか。

近ごろ思うのだ。
ここまで生きてきた。ちゃんと生きてきた。
それ自体を、そんな自分を認めてあげれる世の中が本当に幸せな世の中じゃないだろうか、と。

所詮叶わぬ夢かもしれないが・・・。



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