本日はひさびさに『お米』の話題です。
コメ不足&米価の大幅高騰で四苦八苦だった2025年。コメの絶対量が足りないと一部テレビ報道が主張する中、政府は備蓄米100万トンから、合計で約59万トンを市場放出。価格高騰を食い止めようとしました。
一方、消費者サイドでは、それまで5kg 2,000~2,500円ぐらいが一般的だったコメが5kg 5,000円を超える地域も出てくる現実に呆然。三食コメの生活から、パンや麺類、イモ類などに一部を変換する人が続出しました。
2026年、2年にわたる米価暴騰を受け、コメの生産量は増加しましたが、逆にコメの消費量は減少。現在、一般的な米価は3,000円を切ることが多いようですが、それでも消費量が回復せず、2027年6月末の民間米在庫は農水省発表で243万トン(農水省推計は281万トン)、2004年以降最大の値になっています。
このような背景の元、今、一部国民の間で話題になるのが、2026年7月28日、農水省の食料・農業・農村対策審議会の食料部会での、農林水産省(以下 農水省)の方針発表です。このときの農水省が示した方針は下記のとおりです。
2026年産米の作柄などを含め、今後の需給状況を見極めた上で買戻しを判断する
ところが、原因は明確ではありませんが、これが一部の国民の中で『政府が米問屋の余在庫を買い戻す』と認識されました。
現在、多くのコメ問屋(コメ仲買業者)では2025年のコメが余在庫として積みあがっており、2026年産の新米が出回れば、古米はさらに売れにくくなり、大量の赤字在庫が発生する、という経営危機に陥っています。
すべてのコメ問屋を均一に語ることもできませんし、もちろん事実は現時点で不明、断定はできませんが、一部国民の間ではこれは昨年、米価高騰を狙い売り渋り、在庫隠しを行ったツケだと受け止められています。
そのため、7月28日に発表された買戻し方針は、不当な米価高騰を謀った悪徳な米問屋を救うための政府の介入である、と非難する人が一定数おられるのです。
もともと備蓄米100万トンは国の食料安全保障上の措置です。さらに2025年の備蓄米放出は『買戻し条件付』で売却しています。農水省の資料では、「政府が当該買受資格者から一定期間後(原則5年以内)に当該備蓄米と同等同量の国内産米の買入れを行うとの条件を付した上で」備蓄米を売却することができると記されているそうです。
これに基づき、2026年度予算では、通常の備蓄米21万トンの買入予算とは別に、15万トン分の買戻し予算が計上されており、農水省の7月28日の方針発表もこの通常の国家戦略に基づいたものと考えられます。
結論から言えば、これはまだ定かではありません。
農水省は『今後の需給状況を見極めた上で買戻しを判断する』と述べています。いつ買うのか? どれだけ買うのか? だれから買うのか? 入札方法はどうするのか? すべて未定です。共同通信は『早期買戻しを断念し、秋にも判断』と報じています。
実際に量に関係なく、コメの買戻しが決まれば、その売り手には集荷業者や卸売業者=民間の米問屋(米穀事業者)が含まれることになります。ただ、理屈上では、食料安全上の政府備蓄の補充であり、コメ問屋の売れ残り在庫の救済ではありません。
ここで再度、現時点での『事実』と『未確定事案』を整理してみます。
1.政府は備蓄米を市場から買い戻す方針を持っている
2.2026年度予算には15万トン分の買戻し費用が計上されている
3.政府は2026年産米21万トンを通常の備蓄米として買い入れている
A.2025年放出分を2026年度に何トン買い戻すか、は未定
B.買戻し価格がいくらになるのか、は未定
C.どこの団体/事業者からコメを買い戻すのか、もちろん未定
買戻しを実施すれば市場在庫は減少するので、米価下落を抑える効果は発生する
正確に言うならば、まだ何も具体的なことは決まっていません、というのが正しい答えだと思います。

ここまで見てきた範囲では、現在、一部のSNSやYouTubeなどで話題になっている『農水省による米穀事業者への税金を使った支援』は現段階では杞憂のよう思います。もちろん私では、見えていないこと、気づいていないことも多いでしょうし、未来のことなど尚更わかりません。
ただテレビや新聞、SNS、YouTubeなどすべての情報が嘘ではないが、完全に正確ではない、という気がしています。本当にそうなのか? 自問自答していかないと、私自身も簡単に真実からかけ離れていく気がしています(今、既にそうかもしれませんが・・・)
ある意味、怖い時代になったと思います。


