通常、落語CDは2~3演目をCD1枚に収録、という形で販売されることが多いです。
『らくだ』や『百年目』『子別れ(通し)』や圓朝ものなどの長編は、1演目ですが、まぁそれは稀ということでしょうか。
そんな中、今回、弊店ネットショップで取り扱いを開始したのが下記CDシリーズです。
お手頃・落語寄席 極一席34選(CD全33枚/分売可能)
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人気の高い18人の噺家さんのライブ録音34演目を、全33枚に収録。1枚につき税込 1,000円強で販売します。
演者としては、古今亭志ん朝、柳家小三治、桂歌丸といった伝説の人気噺家さんから、五街道雲助、柳家さん喬、柳家権太楼といった落語界の四番バッター、春風亭一之輔、春風亭昇太、三遊亭白鳥、桃月庵白酒などのホープまで。演目も、『代書屋』『船徳』『湯屋番』などの滑稽噺、『芝浜』『文七元結』などの人情噺、『お見立て』などの芝居噺、『火焔太鼓』など世話物、『明烏』などの廓噺など幅広く収録しています。
落語入門、名前は知ってるけど聴いたことがない噺家さんの試し聴き、友人へのお見舞い、などにもオススメです。
本記事では、収録に参加戴いている噺家さんの落語の魅力を、少しばかりご紹介させていただきます。
古今亭志ん朝
昭和後期を代表する不世出の天才噺家。名人・古今亭志ん生の次男として生まれ、粋な歯切れの良い江戸弁と、華やかでスピード感あふれる語り口で人気を博しました。登場人物が生き生きと動き出すような鮮やかな描写力で知られ、テレビドラマに出演した際の「食いねぇ食いねぇ。寿司食いねぇ」の台詞は、もとの浪曲『石松三十石船』の台詞より有名になってしまいました。リズムがよく、聴きやすい志ん朝さんの落語を聞くと、関西出身の私でも江戸弁もいいもんだな、と思ってしまいます。
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柳家小三治
『まくらの小三治』の異名を持つ人間国宝、本格派の噺家さんです。日常の何気ない出来事を独自のユーモアで語る長尺の「まくら」で観客を爆笑の渦に巻き込み、本編では一転して人間の業や情を重厚に描き出しました。けっして器用な噺家さんではないと思いますが、じっくりと後味のよい語りで楽しませて戴きました。不器用ながらも筋の通った、男気あふれる高座が特徴です。『人柄が出る落語』を人柄に頼らず、培ったっ実力と経験で支えた、そんな噺家さんです。
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金原亭馬生(十代目)
五代目・古今亭志ん生の長男、弟に古今亭志ん朝という落語界のサラブレッドですが、馬生さんの落語は古今亭の落語に比べると、写実的で泥臭くも愛嬌のある、玄人好みの落語と云われました。これは馬生さんの修業時代、父の志ん生は兵隊さんの慰問などで家に殆どおらず、柳家一門で勉強させてもらったからだと云われています。遊郭噺や長屋噺で見せる、人間の弱さや温かみをじんわりと伝える『渋みと色気』のある高座が魅力の噺家さんです。
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桂歌丸
『笑点』の終身名誉司会者として国民的人気を誇った噺家さんです。『笑点』でのユーモラスな姿の一方で、高座では圓朝もの(三遊亭圓朝作の演目)、とりわけ本格的な怪談噺や人情噺に心血を注いだ、超本格派の落語を聞かせてくださいました。近年の落語は、リズムや店舗をよくし、観客を世界観に巻き込むために、会話形式を多用する語り口が人気のように思いますが、歌丸さんは『語る』にこだわり、お話としての落語を聞かせてくれます。品格ある落語です。
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桂文治(十代目)
滑稽噺で圧倒的な爆笑をさらった噺家さん。豪快な笑いと、江戸前の洒脱さ、人情の熱さが同居する噺家さんで、『芸協(落語芸術協会)の爆笑王』として活躍した大看板。笑いと胸を熱くさせる人情シーンの切り替えが持ち味で、笑いの中に涙が混じる、そんな緩急或る語りが魅力でした。歯切れのよい語り口も印象的で、特に町衆の掛合の場面などは、登場人物のズルさや弱さ、おかしみを、嫌味なくチャーミングに演じました。寄席の空気を一気に明るくする花のある噺家さんです。
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五街道雲助
2023年に人間国宝に認定された、令和の江戸落語を代表する本格派です。師匠・金原亭馬生(十代目)ゆずりの、端正でありながら人間の情味や業を深く描き出す芸風が特徴で、その『間』の取り方のうまさで演出される情緒の深さは他の追随を許しません。怪談噺や人情噺での重厚な表現力はもちろん、滑稽噺で見せる軽妙な洒脱さ、そしてなにより噺の土台となる経験と実体験は、雲助さんだからこその魅力と思います。この人でしか演じられない噺のある噺家さんです。
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三遊亭小遊三
『笑点』で茶の間におなじみの噺家さんです。山梨県大月市出身で、国民的人気を誇ります。『笑点』では、軽妙な下ネタや自虐ネタの印象が強いのですが、高座では古典落語を得意とし、とりわけ滑稽噺を抜群のテンポと安定感で聴かせてくれます。ご自身の陽気で庶民的なキャラクターを活かした落語が特に人気が高いようで、長屋噺などでは、江戸の長屋の住人がそのまま抜け出てきたようだ、と云われます。幅広いファン層がいる噺家さんです。
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柳家さん喬
人間を描く、表現することに長け、現代落語界屈指の人情噺の名手と云われる噺家さん。優しく包み込むような語り口と美しい所作で観客が不快感を感じることは皆無です。絶妙の『間』を交え、登場人物の感情を繊細に描き出します。女性の艶っぽさ、人間の優しさや悲しみ・・・そういう心の機微が伝わってきます。滑稽噺でも上品な笑いが持ち味で、必要以上に下品になりません。安心という風呂敷に入れて、笑顔と感動と、人間の面白みを届けてくれる、そんな落語を聞かせてくれます。
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柳家権太楼
『現代落語界きっての爆笑王』といってよいかと思います。圧倒的な熱量とエネルギーで、登場人物の感情を全身で爆発させるような、バイタリティあふれる高座が最大の魅力です。聴き手を一瞬で引き込むパワーがありつつも、根底には人間への深い愛情と温かさが流れています。歯切れよいリズム感あふれる江戸弁、笑いの波を生み出す『間』、明るくて親しみやすい声とテンポ・・・爆笑した後に、ここちよい余韻が残る、そんな落語を聞かせてくれます。
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柳亭市馬
歌のCDを発売するほどの美声と、丁寧で端正な語り口が、魅力の本格派の噺家さんです。落語ファンには落語協会前会長としても知られ、師匠・柳家小さん(五代目)から引き継いだ伝統的な江戸落語の形を忠実に守りながら、誰にでもわかりやすくここちよい高座、どの噺を聴いてもきちんと完成している、という安心感が魅力です。得意の相撲甚句や歌謡曲で見せる喉の美しさは落語界随一であり、その堂々とした風格と品格ある語り口で、古典落語の王道を突き進む噺家さんです。
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立川志の輔
『ガッテン!』などの司会でも有名ですが、落語ファンの間では現代落語を牽引する最高峰のクリエイターとして知られます。古典落語を現代人の感覚に合うよう緻密に再構築する手腕や、世相を切り取った新作落語の完成度は天才的です。サラリーマンからの転身という珍しい経歴の持ち主ですが、逆に一般の人々の心境や感性がわかる、ニーズがわかるということでもあります。司会などでテレビに登場されるたびに、「あんたの落語が聴きたいねん!」と呟いてしまう噺家さんです。
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立川志らく
『鬼才』といってよい噺家さんだと思います。王道を知りつつも、あえて狂気とユーモアを交え、独自の解釈で古典落語に新たな息吹を吹き込みます。固定観念を揺さぶるというか、とんでもない斬新なアプローチを仕掛けてくるというか、まぁとにかく、「こうあらねばならない」ではなく「こうしたい!」「これでもええやん!」の噺家さんです。賛否はあるでしょうが、師匠・立川談志さんの破天荒さ=DNAをもっとも受け継いだお弟子さんなのかもしれません。
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三遊亭兼好
サラリーマンを経て28歳で入門した異色の噺家さんです。もとは相模原市のタウン誌編集をされていたそうで、その経歴が落語にも生きています。タウン誌の特徴である、短く⇒テンポがよい、わかりやすく⇒表現や言葉の意味や発音が明瞭、読者に届く⇒庶民目線、という印象が強いです。抜群の笑顔と軽妙な語り口で、古典落語の登場人物を現代風の親しみやすいキャラクターにアレンジする手腕は特に定評があります。ビギナーから愛好家まで、オススメの噺家さんです。
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三遊亭白鳥
新作落語の草分け的存在。三遊亭圓丈の弟子で、『落語界のファンタジスタ』と称される?という噂のある噺家さんです。白鳥さんの新作落語はとにかく、メルヘン&バイオレンス&ファンタジー。奇想天外、伝統的落語の枠組を完全に超越し、強烈なキャラクター描写は唯一無二の世界観を誇ります。好き嫌いはわかれるところですが、一度聴いたら耳から離れない強烈なインパクトと、腹の底から笑える圧倒的なエンタメ性が魅力です。ちなみに私は好きです!
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春風亭一之輔
『笑点』の新メンバーとなり、逆に今更?と驚いた令和落語界のスーパースター。兎に角、落語にどっぷり浸かっておられ、年間900席以上を高座に上がられています。古典落語の登場人物に現代的な毒やリアルな感情を躊躇なく吹き込み、独自の爆笑噺へと昇華させます。もともと毒のある語り口で、アンチも少なからずおられましたが、圧倒的な経験を積まれ、愛される毒、隠し味のような毒に変化されました。これからが最も期待できる噺家さんの一人です。
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春風亭昇太
『笑点』の現司会者として国民的知名度を誇る噺家さん。古典落語と新作落語の両刀使いとして知られ、小柄な体をフルに使ったパワフルな身振りと、少年のようなハイトーンボイスで客席を一瞬でひきつけます。古典落語を演じられる際も、その基本を十二分に習得しつつも、根っからの現代っ子気質が表に出ており、明るさとわかりやすい表現を交えた語り口が魅力です。明るく、ポップで、ユーモア、だれが笑顔になれる落語が真骨頂です。
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桃月庵白酒
『白酒が出ればアタリ』と言われるぐらい、寄席人気が圧倒的な噺家さんです。鋭い偏見や毒のある『毒舌』をサラリと言い放つのですが、ふっくらした体型が醸し出すおっとした雰囲気で中和される感があります。師匠・五街道雲助ゆずりの古典の技術を、現代風にアレンジし、笑いの質を今風に変えた今風の落語として聞かせてくれます。テンポは速いですが、言葉が明瞭なのでCDなどでも聴き取りやすいのも魅力です。フラの効いた噺家さんです。
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柳家花緑
人間国宝・柳家小さん(五代目)の孫という正真正銘のサラブレッド噺家さん。幼い頃から知らず知らずのうちに英才教育を受けていたせいか、22歳の若さで戦後最年少の真打昇進を果たしました。スピード感あふれる歯切れの良い語り口と、若々しく爽やかな華のある高座が魅力です。古典落語に大切な所作や、人物の立ち上げ方も丁寧でわかりやすいのですが、唯一、長所の軽快さが、重厚さが足りないと指摘を受ける場合も。まぁ好みの問題です。
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