チンドン・パンク!? のっぺらの『そういえば深海魚』はなかなかイイ

聴いてオススメ・ミュージック NOW MUSIC!-聴いてみて-
Now Music -オススメ-

 ひさびさにめっけたぁー!
 知る人ぞ知る個性派バンド。
 のっぺら 『そういえば深海魚』

 ギター&メインヴォーカルの小棚木もみじ、アコーディオン&ヴォーカルの高林、ドラム&ヴォーカルの松井修司によるトリオバンド。

アコーディオン演奏集~MASTER OF THE ACCORDION(CD)

アコーディオン演奏集

 なににもまして印象的なのは、アコーディオンの存在感です。
 アコーディオンは、数ある楽器の中でもとりわけ『人の息遣いに最も近い温かさを持つ楽器』と云われます。鍵盤を押すだけでは音は出ず、蛇腹を開閉して空気を送り込むことで音が生まれます。息を吸って吐く、そんな抑揚が自然に音色に反映されます。
 同じ鍵盤楽器と比べると、ピアノほど音の輪郭ははっきりせず、オルガンほど均一ではありません。ノイズというと語弊がありますがどこか余分な倍音が混ざり、揺らぎが見え隠れする音です。そしてその、余りの音が郷愁や哀切を生みます。

 明るく騒いだ歌を奏でても、激しくロックで突っ切っても、どこかに『哀』が残っている。それはちょっと気障な言い方ですが、私たちの日々に似ています。充実した仕事、昼間の熱狂、緊張感あふれるビジネスの世界・・・けれどふと思い出す、大切な人との穏やかな時間。

 「あいつは仕事一筋だ」なんて言いますが、そんな奴こそ家族との写真をいつも胸に忍ばせてたり、母の日にはさりげなく、母親の好物にカーネーションを添えて送ったりします。
 『のっぺら』の歌は、そんなスマートになり切れない人間の『あまり』の部分をつっついてきます。

女道楽・内海英華のお囃子ジャズ・音伎噺(CD)

お囃子ジャズ(CD)

 私が彼女たちを知ったのはかく云う『音楽深化論』。
「なんじゃ!?」と思いましたね。
 アコーディオンが全体を取りまとめつつ、チンドン的な呼び込みで導入し、パンクっぽい小棚木と高林のヴォーカルが切り込んでくる。ドラムの松井さんのヴォーカルは独特。そこまでの激しさと対照的なアンニュイな空気が流れる。これはええアクセント。
 ほんで主題のサビ。

あぁそう云えば ボクは深海魚
押入れの方舟は サブマリン
あと5分 5か月 5年 500億年 かまわないでよぉー!!!

なんやようわからんけど、爆唱!!!
いいねぇ、いいねぇ、魂の絶叫やねぇ・・・パンクやん、もう。
調べはチンドン、パッションはパンクチンドン・パンクやで、これは。

 いや、こういう歌、本当に好きです。
 ステージの上で、持てる技術の粋を尽くして、完成された演奏をする。これももちろんいいが、ゴチャガチャしたサウンドの中に、まとめきれない素のままの感情をぶつけるようにぶち込み不協和音さえ味にしてまとめあげる、これも『腕』だと思うんです。
 洗練された技術は確かに魅力的で奥行きが深いのですが、わからん感情をわからんままに表現する、これは同じ文化でも、文章や写真撮影にはあまりそぐわない・・・音楽や絵だけに許された表現方法のように私には思えます。

 私の年齢でいうとたぶんにアホ丸出しなのだが、兎角、日本人や現代人は美しく、かっこよく、体裁よくまとめようとする気がします。こうせなあかん、こうすんのが普通やろ、こうしたらわかりやすいのに・・・。
 仕事だったらそうだけど、文化はちがうだろっ! 心はちがうだろっ!

なぁーんて思いながら、「ええ曲見つけた!」とほくそ笑む私でございます(^^;


この歌は文字で説明するとつまらんので、兎に角聴いてください
m(_ _)mペコッ

タイトルとURLをコピーしました