所属している団体、取引会社、個人の版元でさえ、機械化、DX化が進む昨今、昨年のアサヒビールさんやアスクルさんならずとも、私どもの身近な取引先でもランサムウェア被害が発生しています。
ランサムウェアは、パソコンやサーバー内のデータを暗号化して使えなくするソフトウェアです。
感染すると業務が停止し、データ流出などの危険も発生します。元に戻す代わりに身代金(Ransom)を要求することから、ランサム(身代金)をとるソフトウェア=『ランサムウェア』と呼ばれます。
ランサムウェア攻撃は大きく二種類に分けられます。
無差別攻撃と云われる『Commodity Ransomware』と、明確にターゲットを絞って攻撃する『Ransomware-as-a-Service(RaaS)』です。後者は大企業や自治体、公的機関が狙われることが多く、国家が関与していたり、政治的動機や社会不安増大を目的とする場合も少なくありません。もちろん高額な身代金を目的とするものもあります。
より身近な被害が発生するのは無差別攻撃=Commodity型です。メール添付や脆弱性スキャン、偽サイトなどを通じて、頒布され、とにかく広く感染させることを目的とします。
大企業はまだしも、中小企業や公的団体では対応に苦慮されることも多く、原因は大まかに下記3つになります。
2.IT担当者不在で、外部依存度も高い為、システム復旧に時間がかかる
3.そもそも暗号化が部分的で、破壊箇所が特定できない
情報漏洩の調査中はシステムが動かせず、紙やExell、電話など旧来の手作業的手法に戻るケースが散見されます。病院で突然、紙のカルテを使い出したり、工場で紙の指示書が来たり、配送情報が電話やFAXで来ると、何かが起こった可能性があります。
ランサムウェアは、セキュリティ設定が甘い企業=脆弱なVPN(ネット通信の仕組み)や古いWindowsの使用、を自動で検出し、感染します。身代金は1件 数万円から数十万円までですが数千件感染すれば莫大な利益になります。また自身は身代金を要求せずとも、既に感染済のネットワークを別の業者に販売する感染ネットワーク販売の存在も把握されています。
ランサムウェア感染は、引き続き、被害を受ける可能性に繋がります。お金がかかっても、従来のシステムを廃棄し、新しいシステムを立ち上げる会社があるのはそのような被害の連続を防ぐためなのかもしれません。
現代社会では、自社と取引先(川上も川下も)も極めて密接に連携しています。自社がDX化やデジタル化をしていなくても、取引先がランサムウエアに感染されると、顧客対応に支障が出ることがあります。事前にある程度の対応を考えておかないと、事に望んで困惑してしまうかもしれません。

『キャッシュレス 電源切れで一文無し』
なんて川柳もありますが、便利か不便か、紙一重の時代になったようです。


