外国で人気のシティボップ歌手・亜蘭知子ってだれ?

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J-City Pop
亜蘭知子 似顔絵

亜蘭知子 似顔絵

 最近は来日客を中心に、シティポップをはじめ1970年代~80年代の楽曲、さらには『MAJ(Music Awards Japan)』の影響か新しい曲を探すお客さんも増えてきました。恥ずかしながら知らない歌手さんもけっこうあり、反って勉強になっています。

 そんな中、ちょっと気になった歌手さんがいます。
 亜蘭知子(あらん・ともこ)

TUBE/チューブ・ベスト全曲集:渚のオールスターズも収録(CD全3巻/分売可能)

TUBEベスト:渚のオールスターズ収録

 1980年代から活躍するシンガーソングライターです。といっても当時は殆ど売れず、むしろ作詞家やエッセイストとしての活躍で知られていました。作詞家としての亜蘭さんは、『言葉の魔術師』と呼ぶ人もいるほど幅広い楽曲提供をすることで知られます。
 TUBEの『シーズン・イン・ザ・サン』『SUMMER DREAM』『BEACH TIME三原順子の『セクシー・ナイト』南野陽子『KISSしてロンリネス』B’zの『Nothing To Change』アニメ『バブルガムクライシス』B.B.クィーンズが歌った『ちびまる子ちゃん』の『ゆめいっぱい』などのアニソン、橋幸夫さんには『神戸ハーバーブルー』『いのちのうた』と幅広い活動をされています。
 『ビートたけしのTVタックル』の初代パーソナリティとして覚えておられる方もおられるでしょう。

亜蘭知子 伝説の名盤『浮遊空間+1』(CD)

亜蘭知子/ 浮遊空間

 彼女の歌手としての再評価のきっかけは、カナダの人気歌手『The Weeknd』に、彼女の1983年発売のアルバム『浮遊空間』収録の1曲『Midnight Pretenders』がけっこう広範囲にわたりサンプリング使用されたことに遡ります。The Weekndはきちんと著作権処理(クリアランス)を行い、『Midnight Pretenders』を使用しました。今も続く海外のシティポップブームにも乗り、一気に拡散。
 加えて『浮遊空間』の別の楽曲『Body to Body』『I’m in Love』も高い評価を得、次第に日本でも注目されるようになりました。

 亜蘭さんのシティポップは、アーバン系と呼ばれる系統になると思うのですが、山下達郎さんや竹内まりやさんが、どちらかといえば爽やかで華やかな日中の都会感を感じるのに対し、亜蘭さんのは松原みきさんの『真夜中のドア』と同系、大人っぽい夜の街、とりわけ『喧噪の中の孤独』『祭りのあとの寂寥』を思わせる空気感が魅力です。
 ちょっと通ぶった表現をすれば、AORやフュージョン、ジャズなどの影響を受けたアーバンポップ、大人の音楽なんてことになるでしょうか。『Music Awards Japan』の紹介でもなんどか出した言葉かもしれませんが、言葉を超えて、雰囲気や空気で伝わる音楽、ともいえるかもしれません。

 また現代の音楽は、音圧が強く、情報量も多くなりがちです。音楽でいう情報量とは歌詞の文字数ではありません。音の密度になります。つまり、メロディ、コード進行、リズム、アレンジ、効果音、ハーモニー、音の層が重なり複雑になるほど、情報量が多い曲となります。情報量が多いと、リスナーの脳が処理する情報が増えるため、密度が濃い、迫力がある、という印象になります。理屈を言えば、展開が多く、音色が豊かになり、リズムが複雑になることで、情報処理のため、脳が忙しくなり、音楽好きには『聴き応えがある』と評価されやすくなるのです。

 当然、聴いている間は脳が忙しなく情報処理しているので、『疲れる』『うるさい』と感じる人も出てきます。特に高齢の方や静かな音楽を聴きたい方、仕事や睡眠前のBGMには不向きとも言えます。また歌詞を楽しみたい人にとっては、脳の機能が分散するので、歌詞が聞き取りづらくなります。

 まぁ脳の機能を考えつつ、音楽を聴くなどとは、まさに野暮の骨頂ですが、メロウに、自分の気持ちと対話して聴くのには、亜蘭知子さん、なかなかいいのではないかと思います。
 昨日、ご来店いただいたお客さまとも話していたのですが、新しい曲ばかりを追っかける方もおられますが、できればリリース時期にこだわらず楽しんでいただければ、と思います。音楽も絵画も小説も彫刻も、芸術や文化は古いものより新しいものが優れているとは限らないと思います。自分に合ったもの、自分が好きなものに出会えるのが一番です。それにあなたが今日初めてその曲に出会ったなら、それがあなたとその曲のファースト・コンタクトです。

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