思わぬビックリというのがあるものです。
昨日、お店で『GARO(ガロ)』が売れました。
GAROといっても知らない方も多いかもしれません。
『学生街の喫茶店』
「きみとよくこの店に来たものさ♪」ってあれです。
「なんで知ってんの」と尋ねると、お母さんが聴いてたとのこと。ご年齢から考えると、お母さんも誰かに進められて、聴かれたのかもしれません。
思わずCDの裏面を指さして『君の誕生日』、これもええで!と薦めてしまいました。
彼の話によると、周囲の友人や知り合いの間で、1970年代前半のフォークを聴く人が増えているそうです。
「えっ!? レトロブームってシティポップとか、YMOとかとちゃうん」
なかなか、こういう音楽との出会いを話してくださる若い方はおられないので、申し訳ないけど中年オヤジの質問タイム。
「そらそっち系の方が多いけど・・・僕はこっちのほうが」
確かに音楽の好き嫌いなんて、人それぞれで当たり前。人と合わせる必要なんてありません。
調べてみると、海外人気と結びついたシティポップブームに比べ、遥かに地味ながら、素朴でも洗練されたアコ系の音色、やさしい空気感を楽しむ若い人も確かに生まれているようです。
今流行りの『昭和レトロ』ではなく、言葉としては『エモい』『チルい』という言葉。

恥ずかしながら小生、『エモい』はなんとなくわかりますが、『チルい』はわかりませんでした。一瞬「チルド???」と思いました、それじゃ、冷凍食品です(^^;
『チルい』は『Chill out』から派生した表現で、ここちよくまったりできるとか、リラックスする、落ち着く雰囲気や状態、を表す言葉だそうです。
GAROが流行った1970年代前半の日本はちょっど学生運動が下火になった頃でした。政治的熱狂は薄れ、若者たちは自分の時間や、個人への興味に注がれるようになったと云われます。高度経済成長を終え、都会での便利な生活を満喫する一方で、失われていく古い街並みや、故郷の風景に対する郷愁が彼らの心に育まれつつありました。
当時、米国で人気があったCSN&Y(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)は、アコースティックギターのやわらかで人肌のある旋律に乗せて、美しいハーモニーを聴かせる音楽ですが、これに深い感銘を受けたのがGAROの日高富明さんや堀内護さんでした。彼らはCSN&Yのレコードを聴き込み、複雑なコーラスを完コピしたと云います。
『フォークなのに洋楽のようにおしゃれで切ない響き』と評されたGAROですが、実にそれはCSN&Y直系のものであり、後のニューミュージックへの橋掛けになりました。
そういう感情はたぶん、昔も今も不変なもので、パーティーのあとの焦燥というのでしょうか、そんな気持ちが『エモい』『チルい』ミュージックを求めるのかもしれません。
現代は『15秒で伝わる』がキーワードと云われるSNS時代です。エモ・チル・ソングが、果たしてシティポップなどのように再ブレイクするのか? 少なくとも時間はかかりそうです。
けれど、どんな時代にもアンチテーゼはあり、表があれば、裏があります。私も嫌いじゃないんで、ジワジワとファンが増えれば、と思う次第です。
皆さんもちょっとした気分転換に、エモ・チルの懐かしの音楽、楽しんでいただけたら、と思います。




