一曲単位では表せない世界観や物語性、音楽的統一感を持つ作品、『アルバム』という表現形式の再評価こそが、『MAJ 2026』の『最優秀アルバム賞』のポイントだと云われます。
もちろん売上や再生数などで半機械的に選ばれるわけではなく、『MAJ』全体に通じる、音楽的な完成度や革新性、時代や文化への影響、グローバルな視野/展開が問われる選考となりそうです。
最終ノミネートに残っているアルバムは、下記の5作品です。
メロディメーカー大森元貴の才能、ジャンル横断的なサウンド設計、きらびやかなアレンジ力、現代を生きる人々の心に深く刺さる歌詞の世界観・・・圧倒的なポップセンスが凝縮した『10』。
兎に角、2025年~2026年にかけてのMrs. GREEN APPLEの活躍は文句のつけようがなく、その存在感は他を圧倒した。本作でも、10年の軌跡を総括するベスト盤でありつつも、ファンダムの度合いに応じた選択肢を用意。より多くの人に自分たちの音楽を聴いてもらおうと試みてる。ストリーミング時代の日本音楽シーンをLEADした作品。
◆ 参考記事
日本ロックの可能性を拡げ、革新を続けるRADWIMPSの楽曲を、次世代の才能たちがそれぞれの表現に昇華/再構築した『Dear Jubilee』。
2000年代ロックへのRADWIMPSの影響力を感じ、個々の楽曲の普遍的な魅力と共に、各参加アーティストの個性が爆発した、ジャパニーズロックの軌跡と未来が同居した1枚に仕上がっている。ある意味、非常に意欲的であり、アルバムという形式だからこその意義を感じさせてくれる。聴いていて非常におもしろい作品。
星野源の音楽の魅力は、覚えやすいメロディで普段言葉で歌うという産業ポップス的な親しみやすさ、ビートやコードの工夫や多ジャンル要素の取込などのオルタナ的な実験性、さらには絶対的なグルーヴ感、この3つが並び立つ稀有さにあると思う。
本作『GEN』はそんな彼の魅力がひとつの成熟に至った商品ではないだろうか。声を失うほどの驚きや衝撃はないが、一度聴いたら、1週間後にはまた聴きたくなる。多くのアーティストは、実験すれば難解になり、ポップにすると凡庸になるのだが、星野源の音楽は『普段着でもお洒落な奴』という印象。ほんまもんです。
グローバル展開を加速する藤井風の『Prema』。卓越したピアノプレイと、R&B、ソウル、ジャズ、エレクトロなど幅広いエッセンスを融合したサウンドに、独自の死生観や愛を歌った哲学性さえ感じる歌詞、藤井風の『Prema』は世界市場を意識したアルバムだ。
彼のヴォーカルの特徴、『呼吸の深さ』と『間の美学』は、一音一音に余韻と力強さ、くっきりとした輪郭を与える。立ち上がる音像はときとして『言葉の壁』を飛び越え、空気感を変えてリスナーへと届く。言葉で心の襞を震わすのではない。藤井は声で、サウンドであなたの心を震わせる。『Prema』が世界で評価された由縁だ。
◆ 参考記事
昭和・平成・令和と今なお日本の音楽シーンを牽引するサザンオールスターズの最新アルバム『THANK YOU SO MUCH』。メンバーの遊び心と、ユーモアと哀愁が不可思議に入り組んだサザン・ワールド。なにより『交わって染まらず』大衆性の中に芸術性を失わない作品だ。
このノミネートを功労賞とみるならば、それは音楽への自然な楽しみを失っているかもしれない。単純に聴いてて楽しい、もっと聴いていたい。本能にぶち当たってくるような伊達と酔狂の結集したようなアルバムではないだろうか。音楽は楽しいものだ、聴いててウキウキするもんだ、そんなサザンの声が聞こえてくる。
◆ 参考記事

アルバムの味は、作品を最初から頭出しなんかせずぶっ通しで聞かなきゃわからないと思います。言葉にすると野暮なんだけど、頭から1枚聴いて、なんとなくアーティストの世界観を感じれたら、そのアルバムはあなたのお気に入りになりそうな気がします。いろいろ書いては見ましたが、理屈じゃない気がします。
早い話が好きか嫌いか、もっと聴きたいか、だと思います。
I hope the album, like a best friend, brings you wonderful serendipity.
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