昨年2025年、京都で産声を上げた日本最大の国際音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN』(以下 MAJ)の、2026年ノミネート曲が4月30日、発表になりました。
第2回となる2026年度は、受賞会場を東京へ移し、表彰部門も70部門に増強して開催されます。
概要は下記の通り。
【開催期間】 2026年6月5日(金) 〜 6月13日(土)
東京都内各所でライブ、ショーケース、セミナーなど開催予定
【 授賞式 】 2026年6月13日(土)
《昼》Premiere Ceremony in TOKYO DREAM PARK
《夜》Grand Ceremony in TOYOTA ARENA TOKYO
【放送/配信】《Grand Ceremony 生中継》NHK総合
《レッドカーペット》NHK BS
《Premiere Ceremony》TOKYO MX
YouTube 世界配信
2026年度のMAJでは、更なる発展&活性化をめざし、3つの大きな改革がなされました。
今回はもっとも大きな変化となる、新しく追加された表彰部門について、紹介したいと思います。
前年62部門だった表彰部門ですが、14部門の新設、結果として合計70部門に拡充されています。
新しく追加された部門は下記のとおりです。
② 最優秀ダンス&ボーカル賞(ソロ)
③ 最優秀ボーイズアイドルカルチャー楽曲賞(グループ)
④ 最優秀ボーイズアイドルカルチャー楽曲賞(ソロ)
⑤ 最優秀ガールズアイドルカルチャー楽曲賞(グループ)
⑥ 最優秀ガールズアイドルカルチャー楽曲賞(ソロ)
⑦ バックカタログ部門(ロングヒット楽曲賞)
⑧ バックカタログ部門(リバイバル楽曲賞)
⑨ アナログレコードカテゴリー
⑩ ラージェスト・ライブ・オーディエンス賞(海外)
⑪ 最優秀ミュージックビデオ監督賞
⑫ 学生クリエイター奨励賞
⑬ ファンダム特別賞
⑭ 推し活リクエスト・アーティスト・オブ・ザ・イヤー
今回の追加変更の理由は日本の音楽カルチャーの多様化に対応するためとされています。
具体的には、まず①から⑥、ダンス&ボーカルとアイドル文化の2部門を、の細分化が挙げられます。これらのジャンルは長年、日本でも定着しています。
独自カルチャーとして発展・成熟を遂げており、ボーイズとガールズ、グループとソロで様式が異なる場合が多く、別々に審査したほうが 現状に適していると判断されたようです。
次に⑦と⑧、バックカタログ部門の新設があります。 今、現在、多くの音楽リスナーはストリーミングでの視聴を用いています。そのデータを調査することで、特別長く聴かれいる楽曲や、リバイバルヒットしている楽曲が、数字で可視化されてきました。海外でシティポップが再発見されたように、カタログ音源の再発見が、日本の音楽文化発展の礎として再評価されています。懐メロCDに力を入れている弊店にとっても、うれしい話です。
⑨のアナログレコードカテゴリーの新設は、かえって若い方のほうが頷かれるかもしれません。今、10代から20代の若者の間では、CDよりレコード(アナログやヴァイナルという呼び方もあります)の方が、価値があると考える方が増えてきているようです。これはCDやレコードといったフィジカル音源が、『音楽の運び手』という役割から、『アーティストへの推し活アイテム』『よりアーティストと世界観を共有できるグッズ』へと移りつつあるからだと思います。
この動きは日本だけではなく世界各地で共通しており、音楽シーンのトレンドとして評価対象になったようです。
⑪のラージェスト・ライブ・オーディエンス賞は、日本のアーティストによる海外ライブの「観客動員数」を評価します。
総動員数や1公演あたりの動員数、会場規模、現地での話題性や影響度を指標とし、日本の音楽が世界でどれだけ聴かれ、どれだけ人を集めたか、を可視化します。
背景には、日本アーティストの海外ライブが一般的になったことに加え、経産省や文化庁が2024〜2026年に『音楽の海外展開支援』を強化していること、ストリーミング時代は『ライブ動員』が国際的評価軸になっていること、が挙げられます。サブスクやYouTubeでの再生回数では『本当の人気』が測りきれないという認識があると思われます。
⑪⑫はクリエイター部門の強化を意味します。制作現場の多様な才能を可視化し、音楽産業全体を評価する試みです。
個人的には、⑪の『最優秀ミュージックビデオ監督賞』を楽しみにしています。
音楽は基本的には、『曲』と『詩』、二つの要素から成り立っています。『曲』は楽器や楽譜の記載方法(五線譜と和譜のような)によって表現の制限はありますが、原則、演奏すればどんな楽曲かはどこの国の人でも理解し、感じることができます。しかし『詩』は難解です。言葉がわからないとなかなか正確には伝わりません。そこを補うのが映像です。映像を工夫することで楽曲の理解度は大幅にUPします。
例えば私たちの世代はMTV世代と呼ばれます。マドンナの『ライク・ア・ヴァージン』やマイケル・ジャクソンの『スリラー』を、深夜、眠い目をこすりながら見たのを覚えています。デヴィッドボウイにデュラン・デュラン、カルチャークラブ、ワム!など、当時のビルボードにはまった人は皆、深夜のMTVやミュージック・トマトを見ていたと思います。
最後の⑬⑭。これはリスナーとMAJの一体感を高めるための賞になります。MAJの審査は原則、5000名を超える音楽関係者=専門家の投票によって行われます。ただ、それだけではどうしても、他人さんが選んだ勲章の感が残ります。そこで生まれたのがこの2つの賞だと思います。
ファンダム特別賞は、ファンの活動・影響力・存在感が評価の中心になります。LINE MUSICでの再生数やプレイリスト活動、Yahoo!検索での検索数やトレンド推移、SNSでのファン活動、ファンコミュニティの規模と活性度、ファン主導の応援などが評価対象となります。
推し活リクエスト・アーティスト・オブ・ザ・イヤーは、『もっともリクエストされ続けたアーティストを讃える賞』です。USENのリクエスト数を中心に、リクエストの継続性、店舗での再生回数、地域や期間におけるリクエストの広がりを指標とし、ファンの継続的な応援行動が評価されます。
この二つの賞は、音楽の評価が『売上』から『行動データ』へ移行しつつあることを示しています。『推し活』が文化的行動として評価される中で、ファンの力がアーティストの価値を決める時代が近づいているのかもしれません。
本当はすべての変更を記事にまとめるつもりでしたが、調べてみるとこの表彰部門の追加がとても面白いものであることに気づきました。時代の変化が、賞の在り方を変えているようです。
このフレキシブルに変更できる柔軟性は大いに期待できると思っています。
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