鶴田浩二が近藤勇を演じた1973年のテレビ時代劇『新選組』のDVD-BOXの取扱を開始しました。
全19話の短いシリーズながら、重厚で哀愁を漂わせた『近藤勇』を中心に、若き新選組隊士、さらには勤王志士たちの活躍と葛藤を描いた青春群像劇です。
人間としての情と、組織の非情を対比させて描いた作品でもありました。
これまでDVD化はおろかVHSビデオも発売されておらず、幻の作品と呼ばれていました。

新選組・鶴田浩二版
芹沢鴨の暗殺(1863年9月16日)から鳥羽伏見の戦い(1868年1月下旬)まで、凡そ4年弱の物語となります。
新選組を扱ったテレビ時代劇や映画はけっこうありますが、近藤勇を中心に据えた作品は少ないように思います。
不朽の名作と云われる『新撰組血風録(原作は司馬遼太郎)』『新撰組始末記(原作は子母澤寛)』は銘々伝ですし、なんども作品化されている『燃えよ剣(原作は司馬遼太郎)』は土方歳三が主役です。『幕末新撰組(原作は池波正太郎)』は永倉新八、『壬生義士伝(原作は浅田次郎)』は吉村貫一郎、『幕末純情伝(原作はつかこうへい)』は沖田総司です。
そして多くの作品で脇役として脚光をあびるのは鬼の副長・土方歳三になります。
たぶんではありますが、近藤勇が自身が信ずる理想の武士像を体現しようと一直線に生きた人物であったのに対し、土方歳三の生き様には揺らぎがあり、本来の心情と立場や責任感との葛藤が見え隠れする人物だったことが理由なのかもしれません。
土方がハンサムで、当時、栗塚旭という適役がいたことも一つの要因かもしれません。
ちなみに栗塚さんは本作でも土方歳三を好演されています。

新選組局中法度
実のところ、新選組は、京都では必ずしも人気が高いとは言い切れない存在です。
芹沢鴨時代の傍若無人ぶりや、やはり玉石混合、田舎者の集団、暴力集団のイメージがあるのかもしれません。
その荒くれ集団をまとめるために土方は局中法度を作り、憎まれ役に徹して峻烈なばかりに統制をしたとも云われています。
その影の協力を得てはじめて、近藤勇は己が武士道を貫き得たとも言えます。
本作での鶴田浩二演じる近藤勇は、志のためい道半ばで斃れる隊士や敵である勤王志士たちの思いをしっかり受け止めつつも、幕府を護ることが天皇家、強いては日本を守ることだと一心に信じ続けた人物として描かれています。
いつもは穏やかであり、けっして奢ることがない。けれどいったん事に望んでは誰よりも激しく、非情になる・・・。
強くなければ生きていけない
優しくなければ男じゃない
と昔はよく言われましたが、そういう近藤勇を鶴田浩二さんは演じられています。

実際の新撰組や近藤さん、土方さんらについてはさまざまな異論反論があると思います。
実際お会いしたこともないですし、お会いできたとしても他者の心の内すべてをわかることはないと思います。
ただ本作で描かれた近藤勇の生き様はやはり男の一つの在り方ではないか、とも思います。
近頃は『男も女もない。それぞれの個性があるだけだ』と仰る方もおられます。
もちろん、それも事実ですが、同時に男と女の間にはやはり性差は存在します。
どちらが偉い、どちらが優れているものと云うのではなく、動物の雄として、雌としての違いです。
生物としての役割が違う限り、求めるベき生き様も変わるのではないか、ふとそんな気持ちがよぎる昭和のテレビ時代劇だと思います。
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