同じ古典芸能でも、歌舞伎や狂言に比べ、『能』はわかりにくいという方がおられます。
派手な衣装や舞台装置を駆使し娯楽性が高い歌舞伎や、庶民の日常を題材にしたコメディ劇・狂言が、視覚的にも言語的にもわかりやすさを重視するのに対し、能では抽象性と象徴性が強いためだと云われます。
身体の動きを抑制し、象徴的な所作で感情や物語を表現。『幽玄の美』を演出する能では、その省略された部分を、観客自身の想像力で補う必要があるのです。
さらにセリフにあたる『謡=謡曲』は古典的な文語体で、現代人には意味がわかりいにくいことも多々あります。
【場所】京都観世会館
京都市左京区岡崎円勝寺町44
【構成】1.能について (河村晴久)
2.能装束の着付(河村奈穂子)
3.半能『松虫』(河村晴久、原大)
★ 日本語と英語での解説つき
【入場料】S席:8,000円 / A席:7,000円 / B席:6,500円 / 学生席:4,000円
★『能楽舎友の会』会員は特別入場料となります。
日本語と英語での解説がついていること、全体で2時間で終わるようになっていることなど、能が初めて、学校の授業で見て以来、という人にも飽きが来ない工夫がされています。
外国人の友人に「能が見たい!」なんて云われて、「俺もようわからん…」という人には特にオススメです。
「I can’t understand it, too. So let’s study togather」と白状してしまって、一緒に見に行かれてもよいかもしれません。
『能』は通常、前場と後場に分かれますが、『半能』は後場=後半だけを演じる略式公演です。
時間短縮や、祝言性を強調する際にも用いられます。
『能』のクライマックスのみを凝縮して楽しめるため、初心者にも楽しみやすいと云われています。
『松虫』は『執着が生む苦しみと、執着を捨てることで得る解放』をテーマにした夢幻能です。
松虫の音に執着するあまり友と別れ、孤独の中に亡くなった男の霊。
男の霊は、生前に犯した罪を悔いながらも、秋の野に響く澄んだ虫の声への執着を断ち切れない・・・亡き友への思慕と、虫の音に託された儚い情を舞と謡で表現します。能面の微細な表情と、ゆるやかな舞の中に潜む生命の哀歓。
虫の声を象徴する囃子の響きが、秋の寂寥と幽玄を一層際立たせます。
途中、男の霊が何度か、松虫の声に耳を澄ませる仕草を繰り返します。
この仕草こそ、愛したものが執着に変わり、その執着が罪と迷いを生み出す、人間の弱さ、性を現わしているのかもしれません。
『能』に興味はあるけど、1st-stepという方に特にオススメのイベントです。

能へのいざない





