中国の伝説の女戦士ムーランを描いた中国のテレビドラマ
『ムーラン -巾幗大将軍-』。
弊店でも取り扱うことになりました。
ディズニーアニメ『ムーラン』『ムーラン2』や、京劇の『花木蘭』でも知られますが、実はムーランが実在の人物かどうか定かではありません。
北魏時代の詩文『木蘭詩』がもとに描かれており、逆に言えば不明部分が多い分、着色やオリジナル色を強めやすい題材と云えます。
この『ムーラン -巾幗大将軍-』は、いくつか従来の設定を変更し、わかりやすくしています。<
まず時代を北周から隋への移行期に設定しています。隋と云うのは皆さんもご存じの聖徳太子と縁が深い遣隋使の隋です。
ムーランが戦矛を交えた異民族は、北方の異民族とも、朝鮮半島北部の高句麗とも云われますが、本作では架空の異民族『揉冉』とされています。
物語は、苛烈な異民族の侵攻に耐え兼ねた北朝(北周)皇帝が、外戚の実力者・楊堅に帝位を禅譲したことから始まります。
北周皇帝家(宇文氏)としては一時的な禅譲だったかもしれませんが、楊堅には当然、帝位返還など考えてもいませんでした。
一方、異民族との国境付近では、主人公の華若蘭(エレイン・コン)の父・華武の元に動員令がきていました。
その日は若蘭が結婚式の日でしたが、もともと気の進まない結婚だったこともあり、若蘭は、別の女性を男の元へ送り、自分は男装をして父の代わりに出陣します。
ムーラン(=華若蘭)は清時代の画集『百美新詠図伝』で西施や楊貴妃と共に中国歴代美女100に数えられる美形です。
いくら男装してもばれそうなものですが、これがばれません。
ばれないどころか、多くの戦いを共に戦った趙宇(ユエン・ホン)、楊堅の第三子・楊俊(チェン・スーチェン)とは義兄弟の契りまで結んでしまいます。
ちなみにこの趙宇は本来、若蘭が結婚するはずだった相手です。
とはいえ、いつまでも女性であることがばれないと、物語は進みません。
徐々に女性であることがばれて、三角ロマンスも発生してきます。
後半は、異民族との戦いに加え、三角ロマンスの行方、さらに帝位奪還を狙う旧北周勢力と現政権の宮廷闘争も加わり、より登場人物たちの個性が際立ち始めます。
とりわけ若蘭へのライバル心から芸妓となり、宮廷内での立身出世をめざす若蘭の妹・華玉荷(リウ・ズーエン)も物語に深く絡みはじめます。
近頃、日本で大河ドラマの『どうする家康』や『真田丸』などでも明白ですが、歴史の新解釈という手法玉がよく見られます。
確かに脚本的には面白いですが、ウジウジした織田信長や、頼りない徳川家康、石田三成と仲が良い加藤清正、などはどうも座りがよくない。
ドラマ全体がテクニカルすぎて、重厚さに欠ける気もします。
その点、この『ムーラン -巾幗大将軍-』をはじめとする中国の大河系ドラマは安心してみられるというか、重厚というか。安心して見られるのです。
香港が得意とする武侠ドラマばりの武術やアクションも盛り込まれた作品です。
中国でも、北京、上海、広東の人々を特に熱狂させたという『ムーラン -巾幗大将軍-』、ぜひご覧ください。




