落語のCD/DVDというと、ひとりの噺家さんの高座をかき集めているのが多くあります。
ただ実際の落語会では、独演会や二人会などを除けば、ほぼ一人一席のリレー形式が多いようです。
複数の異なる噺家が作るひとつの落語会。その魅力をまんま閉じ込めたのが、まるごと落語会DVDの最大の売りなのです。
今回取り上げる『落語会DVD』は、下記の5席で構成されています。
ベテランと若手、新作落語と古典落語が程よく入り混じった魅力的な会になっています。
2,柳家喬太郎 道灌 古典落語
3.瀧川鯉昇 千早ふる 古典落語
4.柳亭市馬 山号寺号 古典落語
5.昔昔亭桃太郎 唄入りぜんざい公社 新作落語
古今亭今輔さんの『チョココロネ政談』は、どうでもいいことで次第に追い込まれる男が主人公です。
落語の小道具は扇子や手拭いが一般的ですが、この『チョココロネ政談』には掟破りの小道具が出現します。
「エッ!? チョココロネを知らない?」
「そりゃ一大事!!! このDVDをぜひお買上げください(^^;」
続いて登場の柳家喬太郎師匠。実は某噺家さんの代役で緊急当番です。
『道灌』は喬太郎の大師匠・五代目小さんがとても大切にされた演目です。
和歌をよく知ったものと、知ったかぶりをして恥をかく男を、対比して笑いを取ります。
本作が収録された2009年当時、喬太郎師匠は新作落語が中心だったので、古典落語は珍しく、貴重な一席でした。
三席に登場する瀧川鯉昇は、客席の色を変える噺家さんです。
喬太郎は爆笑系の人気者です。彼の後は客席の熱気が冷めず、次の噺家さんは落語がしづらい場合もあるようです。
鯉昇師匠は間をゆったりととり、徐々に徐々に、客席の色を自分の色に染めなおしていきます。
喬太郎師匠から鯉昇師匠へ、この連携も見所です。
鯉昇師匠の落語を『受けの落語』と表現する人もおられますが、私は『染めなおしの落語』だと思うのです。
柳亭市馬は美声で知られます。
『山号寺号』は言葉遊びの落語で、テンポやリズムの良さ、メリハリ、臨機応変のアレンジで笑いを積み重ねる噺です。
市馬師匠にはうってつけの演目で、今回は共演の4人+αのネタや、時事や風物も、噺の中に織り込んでいます。
市馬の『山号寺号』は粋でさわやか。サラリと切れよく、まとめた上質の一席です。
トリは昔昔亭桃太郎。仏頂面でダジャレたっぷりの噺家さんです。
明治時代の演目をたたき台に唱和30年代に大人気を博した演目『ぜんざい公社』を桃郎風アレンジで聴かせます。
この話はぜんざい一杯を食べる為に、警察の取調べか千本ノックかというほどの手順を踏まされた可哀そうな御仁の物語です。
年々、官僚的になり、形式的になる社会への皮肉を込めた一席で。落語会はお開きとなります。
★ 特典映像には、囃子方や楽屋での一コマが写真映像にて収載されています。
『落語会』という一つの作品を最初から最後まできちんと楽しむ。
そこにはそれぞれの演目を単独で見るだけでは得られない面白みがあります。
噺家さんたちが、あの手この手でお客さんの笑いや笑顔を繋いでいく、その努力を感じるのも、なかなか乙なものです。
まるごと落語会DVD、他にもございます。ぜひお楽しみください。
《まるごと落語会DVDご紹介》
▷ 三遊亭円丈, 柳家権太楼, 柳家喬太郎, 三遊亭兼好, 桃月庵白酒
▷ 橘家圓太郎, 瀧川鯉昇, 三遊亭白鳥, 春風亭百栄
▷ 柳家喬太郎, 三遊亭白鳥, 入船亭扇辰, 三遊亭天どん, 橘家圓太郎
▷ 柳亭市馬, 春風亭一之輔, 桃月庵白酒, 笑福亭たま, 瀧川鯉朝
▷ 笑福亭鶴光.柳亭市馬,柳家喬太郎, 柳家喜多八, 古今亭春駿菊
▷ 春風亭一之輔, 三遊亭白鳥, 三遊亭兼好, 桃月庵白酒, 春風亭百栄
▷ 三遊亭円丈 , 柳家喬太郎 , 柳亭市馬 , 昔昔亭桃太郎 , 桃月庵白酒
▷ 昔昔亭桃太郎・柳亭市馬・瀧川鯉昇・柳家喬太郎・古今亭今輔
▷ 春風亭一之輔, 昔昔亭桃太郎, 柳亭市馬, 入船亭扇辰, 三遊亭兼好
▷ 桃月庵白酒, 入船亭扇辰, 春風亭百栄, 古今亭文菊, 三遊亭兼好

![[落語DVD] 落語会~昔昔亭桃太郎・柳亭市馬・瀧川鯉昇・柳家喬太郎・古今亭今輔(DVD)](https://www.kyoto-wel.com/shop/S81212/prdct/00/59/99/image1.jpg)

