朝ドラ『ブギウギ』で笠置シヅ子のライバルとして描かれた淡谷のり子。
彼女の戦後間もない頃、昭和20年代前半の歌声がCDにて復刻発売されました。
【復活!懐メロSP盤】淡谷のり子 ベスト全曲集
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・或る夜の帰り路
・すぎたあの日に(初CD化)
・人の気も知らないで(初CD化)
・海に捨てる恋(初CD化)
・街角(初CD化)
・月のブルース(初CD化)
・嘆きのブルース(初CD化)
・君忘れじのブルース
・東京の詩集(初CD化)
・わたしに罪があるでしょか(初CD化)
・熱川ブルース(初CD化)
・君待つ夜のタンゴ(初CD化)
・今宵かぎりのルムバ(初CD化)
・南風ロマンス(初CD化)
・さよならブルース(初CD化)
・東京ルムバ
・夢去りしブルース(初CD化)
・チャイナブルース(初CD化)
・三日月仄かに(初CD化)
・泪雨のブルース(初CD化)
・君恋う夜のブルース(初CD化)
・東京リル(初CD化)
・別れのブルース
ご覧の通り、『別れのブルース』『君忘れじのブルース』など、淡谷さんの代名詞ともいうべきヒット曲に、多くの初CD化曲を加えた内容になっています。
昭和20年8月15日の玉音放送を境に、日本はひどい混乱状態に突入しました。
特に東京や地方都市ではGHQの横暴、一部外国人の暴虐無人な振舞、闇市をはじめとするアノーソライズな商取引・・・が横行し、人々の心は大きく荒んでいきました。
この末期的状況の中、『歌手・淡谷のり子』は信念を保ち、独自の芸術性を貫いた稀有な存在だったと言えます。
この昭和20年代前半、淡谷のり子は復員兵の慰問に加え、GHQ向けの公演を多数行いました。
彼女はジャズやシャンソンなど英語詞の曲を、格調高く歌える数少ない歌手だったのです。
このとき『ラ・メール』『サマータイム』などをレパートリーに加えた淡谷は、次第にシャンソン歌手としての魅力を増していくことになります。
洗練された編曲と深い情感を持つ歌唱が特徴で、音楽史研究家・郡修彦氏は、
「復刻の機会に恵まれず、名唱・名作が広く知られていない楽曲」と語られています。
戦後、流行歌が多様化する中でも孤高の独自性を保ち、芸術的価値を失わなかった淡谷のり子。
その歌は『哀愁と都会性を取り戻した声』『抑制のきいた情感が、戦中の軍歌とは対極』として高く評価される一方で、当時流行の『復興の歌』『明るい歌』に比べ、暗い、時代にそぐわない、と陰口も叩かれたようです。
しかし、このより芸術性の高い音楽/歌を指向した淡谷のり子がいたからこそ、日本のポピュラー音楽が高品質の音楽性が維持でき、現代の世界で評価されるジャパン・ポップに繋がったのかもしれません。
みなさん。淡谷のり子さんの歌をぜひお楽しみください。
(一部、マスタ-に起因するノイズや、音の歪みがございます。予めご了承ください)



