昨日、観世流謡曲31枚 & 能楽書籍1冊を弊店HPに加えさせていただきました。
▷ 観世流謡曲集E / 観世元昭(CD全19枚/分売可能)
▷ 観世流謡曲 第5集 / 観世清和(CD全11枚/分売可能)
▷ 観世流謡曲・翁(神歌)/ 観世元昭、観世清和ほか(CD)
▷ 翁の本 -The Book of OKIINA-/全文英訳併記(書籍)

観世流は、能楽五流派中で最大の流勢を誇る流派でされています。
優美で洗練された芸風で知られ、能の歴史や美意識を牽引してきた存在と言ってよいかと存じます。
流祖・観阿弥(1333–1384)の幼名・観世を流派名に掲げる観世流能/観世流謡曲。
謡は、高音を利かせ、華やかで流麗。力強さより、柔らかく旋律的に謡うことを大切にされています。
面や装束も繊細な表情、鮮やかで格式あるものが多いようにお見受けします。
江戸歌舞伎と上方歌舞伎の地祇にも通じるような、片意地張らない普段着の中に、美しさと情を醸し出す演出なのかもしれません。
ちなみにシテ方は観世清和 二十六世観世宗家と、その叔父にあたる観世元昭氏。
ご両所とも戦後を代表する能役者で、伝統の継承と現代への橋渡しへに多大な貢献をされています。
今回のCD『翁』は、シテを観世元昭氏、ツレを観世清和氏が演じておられます。
『翁』は能楽の中でも特殊な作品で、観阿弥の子・世阿弥は「能であって能に非ず」と称されました。
能は13世紀後半に観阿弥、世阿弥の親子により大成されたと云われます。
舞(踊り)、謡(歌)、囃子(音楽)を組み合わせた演劇の一種で、神話や歴史、恋愛や亡霊を題材にしています。
幽玄の美を重んじ、登場人物の心情や霊的世界を能面と独特の所作で象徴的に、されど美しく表現します。
西洋演劇とは異なる日本独自の様式をもつ舞台芸術、総合芸術とも云える芸能です。
しかし『翁』は、根本的に異なる部分があります。
『翁』は物語性を持ちません。通常の能が物語や登場人物の感情を描くのに対し、『翁』は祝福と祈願を目的とし、天下泰平や五穀豊穣、長寿などを神に祈る祝祭的儀式として演じられます。
『神歌』と呼ばれる所以です。
誕生から700年以上。生活様式や思想、価値観・・・
さまざまな社会の有り様が変わる中、続いてきた文化や芸術には、言葉には置き換えられない存在の意義や、寛大さに支えられた柔軟さ、そしてなにより型が変わっても揺るぐことのない『心』があるのかもしれません。
ぜひ、わかるわからないを超えて、親しんで戴き、言葉にできない『心』を感じて戴ければ、と思います。
正直、私自身もまだまだ感じきれておりませんが、路の途中、とご容赦戴ければ幸いです(^^)






