8月16日、京都では『五山の送り火』が行われます。
この送り火はお盆にお迎えした先祖の霊(精霊=おしょらいさん)を、あの世に送り返す精霊送りの伝統行事で、室町時代には既に行われていたようです。
五山の送り火の予定は下記の通り。
【点火時間】
1.大文字(東山如意ヶ嶽) 20:00
2.妙・法(松ヶ崎西山・東山)20:05
3.船形(西賀茂船山) 20:10
4.左大文字(大北山) 20:15
5.鳥居形(嵯峨曼荼羅山) 20:20
お盆は、もともと日本伝来の祖霊信仰(先祖の霊が夏に帰ってくるという習俗)と、『佛説盂蘭盆経』にある目連尊者の故事が時期が近いこともあり、合わさったものと云われます。
亡き母が餓鬼道に堕ちて苦しんでいるのを神通力で知った目連。
なんとか母を救いたく、お釈迦さまに相談します。
すると「僧侶たちが夏の修行を終える7月15日に、多くの僧を供養せよ」と助言を戴き、供養を重ねたところ母は餓鬼道から救われることができた、という物語です。
ですから、迎え火や送り火、盆踊りなどは日本古来の風習由来、お寺さまやお坊さまがなされるご法要は仏教由来といえます。

昔、とある新聞社が『送り火』を『大文字焼き』と記載し、関係各所から非難を浴びたことがあります。『根性焼き』じゃあるまいし、何でも書けばいいというもんではありませんね(^^)
観覧スポットとしては、京都市内の鴨川沿いや高台寺さま、将軍塚展望台などが、複数の送り火を望むことができ、人気があるようです。私は出町柳から少し北に上がり、鴨川の大橋の上からよく見ていました。
当時、河原町今出川に先輩のレコード屋さんがあり、クラシックが得意な店でしたが、この日だけは店頭にジュースやビールを並べて売ってはりました。
当時はCDやカセットもよく売れた時代でしたが、
「今日はジュース屋やぁ!!」とよく言っておられたのを覚えています。

五山送り火一覧
ちなみに、各文字の意味ですが、諸説あるようです。もっとも有名な『大文字』の『大』は大日如来の象徴しているという説や、「人」という字に似ていることから、先祖礼を表しているという説もあります。
『妙・法』は『妙法蓮華経(法華経)』。松ヶ崎は当時、法華の宗徒が多く、疫病退散・先祖供養のために灯したと云われます。
『船形』は精霊を極楽浄土に贈り届ける船。弘法大師が唐から帰国する船を象ったという説もあるようです。
左大文字は大文字と同じ謂われと聞きますが、調べてみると地域守護の意味合いもあるようです。
鳥居形はもちろん神社の鳥居です。
嵯峨野の愛宕神社の鳥居を象ったもので、精霊が神域へ帰る入口だそうです。
美しさと荘厳さ、そしてほんの40分ほどの儚い祀りです。
楽しみつつも亡くなったご家族や友人、大切な人に思いを馳せていただければ、と存じます。



