近頃、シティポップが流行りだと云われています。
ところがこのシティポップという名称、日本では『都会的で洗練された雰囲気の音楽』のなんとなくの総称として用いられていた言葉でした。
例えば山下達郎さんや竹内まりやさんはシティポップの代表的アーティストとして知られますが、当時の彼ら自身はAOR(※注1)やニューミュージックと理解されていた節があります。
また従来のUrban系とはニュアンスが異なる、メロウで高揚感あるResort系City POPも人気を博しました。
大瀧詠一さんやオメガトライブなどはこちらの趣向が強いかもしれません。また近年のシティポップ再評価は、韓国DJの音楽活動や、YouTubeやSpotifyなどの影響が強いと云われます。
そのためで一部海外ファンの中では歌謡曲やアイドルソングまで含めた昭和レトロな音楽全般をジャパニーズ・シティポップと表現することもあるようです。
とはいえ、これだけシティポップと云う言葉が一般的になると、どんな音楽か、ある程度知りたいのが人情と思います。
そこで本日はシティポップ入門盤ともいうべきコンピレーションCDを3枚ご紹介します。(コンピレーショ盤とは、あるテーマに沿って楽曲を集め、収録したものです。)
■ 定番シティポップ 70s~80s
-Urban & Ocean Sounds-(CD2枚組)
1970~1980年代に発表された楽曲から、従来のシティポップに分類されそうな楽曲を36曲収録。
都会生活での孤独や哀愁を洗練されたサウンドで綴ったUrban系と、夏や海辺をテーマに高揚感やときめきを開放的なサウンドで綴ったResort系(本CDではOcean系)に分けて収録されている。https://www.kyoto-wel.com/shop/S81212/prdct/00/32/98/image1.jpg
■ シティポップ 80’sベスト全曲集(CD2枚組)
1980年代シティポップのヒット曲を40曲収録。
上記の『定番シティポップ 70s~80s』より範囲が広く、フュージョンであるカシオペアや、歌謡曲に分類されることが多い中原理恵、渡辺真知子や上田正樹、アイドルソングの松田聖子なども収録されている。
■ ニューミュージック集
-ドラマ主題歌&CMソング-(CD2枚組)
ニューミュージック中心ではあるが、泰葉の『フライデイ・チャイナタウン』やスタレビの『木蓮の涙』、大塚博堂の『ダスティ・ホフマンになれなかったよ』などシティポップっぽい楽曲も数多く収録。
全36曲、個性的で魅力あふれる楽曲が多いので、ぜひ紹介したい。
もともと現代音楽は、あるジャンルを基軸にしていたとしても、貪欲にその他のジャンルのエレメントを呑み込んでおり、音楽ジャンルを特定することは困難、かつ適切でないように思います。
わかりやすい例で云えば、ガーシュインの『ラプソディ・イン・ブルー』はクラシック or ジャズ??、武満徹の『ノヴェンバー・ステップス』はクラシック or 純邦楽?? など、そう簡単にバッサリ分けられるものでもありません。
ゲーム『ドラゴンクエスト』のメインテーマなども本来はゲーム音楽ですが、オーケストラ演奏すれば立派な交響組曲、クラシック音楽となります。
日本人にはわからないこと、はっきりしないことに我慢ならない方も多いようですが、何事もバッサリ割り切れるものではありません。
「なんとなくシティポップぽい音楽、俺は好きやねん」でいいのではないでしょうか?
《※注1》
AORはアダルト・オリエンテッド・ロックの略。1970年代〜80年代にアメリカで流行した都会的で洗練された大人向けロック音楽の総称。
ジャズ、ソウル、ボサノヴァなどの要素を取り入れた、洗練されたサウンドが特徴。
代表的アーティストには、スティーリー・ダン、ボズ・スキャッグス 、ボビー・コールドウェル、TOTO、クリストファー・クロスなどが挙げられる。





