弊店では、けっこう時代劇DVD/Blu-rayが売れる。
種類が多いので、ホームページには一部のみの掲載なのだが、一度ご利用戴いたお客さまから電話やFAX、直接メールで
「〇〇〇のDVDあったらほしいんだけど!」とご連絡を戴く。
弊店の場合、比較的、昭和の時代劇映画やテレビ時代劇が多いのが特徴だ。
昭和にはまだまだ和装中心のご年配の方もおられ、正月や法要は和装という方も少なくなかった。
建物も日本家屋が殆どで自ずから和装での所作が身についていた。
スタッフに和装やしきたりに詳しい方も多く、自ずから時代劇らしい佇まいのある商品が制作された。
時代劇は、極端な言い方をすればファンタジーだ。
上質のファンタジーとは、すなわち徹底的に、きもちよく視聴者を騙すこと。
細部まで作り込むことで錯覚するほどの臨場感を生み出す。
それがあってはじめて、私たちは登場人物と共に泣いたり、笑ったり、驚いたりすることができる。
不正確で粗雑な舞台構築や演技で、現代劇に見えてしまえば、最早ファンタジー=時代劇とは言えない。
山田洋次の時代劇三部作や、真田広之プロデュースの『SHOGUN』が高評価なのは、戦国時代らしさや江戸時代らしさ、という舞台構築をきちんとクリアしているからだろう。
と前置きが亡くなってしまったが、そのような中、テレビ時代劇としては格別の売れ行きを占めているのが!
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子連れ狼・萬屋錦之介版(DVD7枚組×全3巻)
『子連れ狼』は劇画漫画(原作・小池一夫/画・小島剛夕)を原作にしている。
1972年~1976年の『映画版・子連れ狼(若山富三郎版)』、1973年~1976年の『テレビ時代劇・子連れ狼(萬屋錦之介版)』がほぼ並行して制作された。
映画版は、巨体が繰り出す凄まじい剣戟、殺陣のど迫力が魅力で、大ヒットを博したが、一方の萬屋錦之介版、こちらの人気はさら凄かった。
まず主題歌が秀逸だ。
1st、2nd Seasonのバーブ佐竹さんの『ててご橋』。
「父御と母御と五斗と五斗、一石橋で待てばよい」というあれ。
3rd Seasonの橋幸夫さんの『子連れ狼』も負けずに名曲で
「しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん。悲しく冷たい雨すだれぇ♪」というフレーズが話題になった。
物語もけっこうハード路線だった。
「子供は見ちゃダメ!」ってシーンも時折あったし、昭和でも倫理観が問われる設定や場面は少なくなかった気がする。
拝一刀に敗れた烈堂は暗殺者(長男・柳生備前)を放って、一刀の妻・薊を含む一族郎党を皆殺しにする。
このとき薊の遺体の側にへその緒がついたまま打ち捨てられていた赤子が大五郎。
検死のため再度拝家に赴いた備前こそが、妻や一族の命を奪ったと気づいた一刀は、備前の配下を皆殺し。
備前もまた水鴎流剣術波切の太刀で絶命する。
その後、柳生烈堂は配下の忍者や剣士、蔵人、軍兵衛という息子たち、妾腹の庄兵衛、鞘香などを繰り出し、一刀と大五郎の命を狙うが、次々と返り討ちにされる。
なお、水鴎流は戦国末から続く実在の総合武術=古流で、居合抜きを中心に剣、薙刀・杖・鎖鎌などを遣う。
烈堂の命を受け、子連れ狼の前に立ちはだかる人々それぞれにも、人生があり、守るべき家族があり、大切な思いがある。
それを知った上で、一刀と大五郎は『冥府魔道』のもと、淡々と屠り続ける。
彼らに情愛や憐憫がないわけではない。
しかし二人は、何も知らず無残に殺害された一族の復讐を必ず果たす、と決めたのだ。
倫理も、道徳も、相席も関係ない。
愛する者を突然に奪われた怒りを晴らすと決めた。
テレビ時代劇『子連れ狼』は、全3シーズン/73話すべてをかけて、この人間の業と、憎しみと愛情が表裏一体であること、そしてその行き着く先を描いている。
現在、発売中の作品には、第1シーズン第2話『乞胸お雪』を除く72話が収録されている。
時代劇ファンならずとも、ぜひ一度はご覧いただきたい。






