7月1日。
京都では『吉符入(きっぷいり)』と呼ばれ、祇園祭のスタートとなる日だ。
『吉符入』は単なる準備開始日ではない。『神と人との約束を交わす神聖な始まり』である。
『吉符』は神に奉納する文書や祝詞を指し、『入』は神事の始まりを示す。
即ち『吉符入』とは、神に奉仕する祭礼関係者が正式に役目に就くことを神に報告し、許しを得る儀式となる。
もちろん鉾立や山鉾巡行など今後の予定確認も行われる。
この日、すべての山鉾町では、各町の代表者(氏子や町役員)が神前に集い、祝詞を奏上。
祭礼の無事と町内の安寧を祈願する。
祭事に関わる世話役の選定や任命も、正式にはこの『吉符入』の際、行われる。
特に注目を浴びるのは、長刀鉾町の『吉符入』だ。
毎年、くじ取らずで巡幸の先頭を勤める長刀鉾には、唯一生身の『稚児(神の使いの少年)』が任命される。
神の依り代たる稚児を拝命した少年は、巡行までの間、神聖な生活を過ごさねばならない。
その性や国は下記のようなものがある。今の時代、これはけっこう厳しい戒律かもしれない。
2.地に足をつけてはならない
3.母親を含む全ての女性の手助けを受けてはならない
4.肉・魚を断ち、身を清める
大阪万博の影響もあり、関西へ足を延ばしてくださる方も多いと思う。
ぜひ夕方から夜には、祇園祭のコンコンチキチンを楽しんでもらえれば、と思う。

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