MISIA『LOVE NEVER DIES』を聴く

オススメの音楽/福山雅治 NOW MUSIC!-聴いてみて-
オススメの音楽/福山雅治
MISIA『LOVE NEVER DIES』(通常盤CD or 完全生産限定盤CD+BOOK)

MISIA『LOVE NEVER DIES』

MISIAの『LOVE NEVER DIES』に急に嵌っている。
この曲は同名のアルバム『LOVE NEVER DIES』の3曲目に収録されており、同アルバムのテーマをもっとも表現した1曲と思われる。
アルバム・テーマは『愛は消えない』。
ここで云う『愛』はきっと『恋愛対象への愛』ではないと私は思う。
『自分自身も含めある者の存在を認める』
もっとはっきり言えば『自分自身への愛』だと私は思った。

私たちは得てして
『俺はこんなもんだから・・・』
『私なんかに・・・』
『今更・・・』
という自虐の言葉を発してしまう。
けれど、それが謙遜だとしても、私たちは言葉に支配されることがある。
自分が吐いた言葉が時に呪いのように自分を縛る。

MISIA ベスト全曲集 -THE GREAT HOPE BEST-(CD3枚組)

MISIA ベスト全曲集

この曲を心に思い浮かべ、別に口に出さなくてもい、心中で歌ってみれば、『言葉の力』に気づく。
『人生のステージは自分だけのもの』
『ガラスの靴ならもういらない』
『あの日の私に負けぬように』
『傷つき涙をこぼしても 過ぎ去る日を悔やまない』

真珠のような言葉が突き刺さる。

この歌の作詞はMISIA本人だ。
『傷つき涙をこぼしても』という歌詞、主役はたぶんMISIA自身だ。
彼女は『5オクターブの歌姫』という異名を持つ。
世界でも指折りの音域を歌唱できる実力を持っている。
順風満帆の人生を送ってきたと思われがちな彼女でさえ、たぶん涙ぐむほど悔しい瞬間があったのだろう。
でも、それも道の途中なのだ。


プロモーション・ビデオは、渡辺直美さんが出演されている。
彼女がより多くの人に自分のダンスを見てもらいと志し、安定した日本の仕事を捨てて、渡米されたことは記憶に新しい。
このP.V.で起こったことを実際に渡辺さんは体験されたのかもしれない。
裏方仕事ばかりを押し付けられ、、存在が希薄になり、自分自身を見失いそうになる。
そんなことは、私も、あなたも、無表情で信号待ちしている隣の人も、きっと経験している。
けれど、それで自分自身をあきらめてしまうの?とMISIAは問いかけている。
あきらめなかった人すべてが、MISIAのように輝けるわけじゃない。
けれど、今、私が、あなたが立っている舞台は私のもの、あなたのもので、他のだれのものでもない。
見せかけだけの、12時になると化けの皮が剥がれる『シンデレラの靴』ではない道のりを私たちは刻んでいる。

熱くなってしまって申し訳ない。
でもこの曲はそんなメッセージを、私のような暑苦しい言葉ではなく、さりげない、でも熱い歌声と心揺さぶるメロディーで伝えてくれる。

この『LOVE NEVER DIES』はシェイクスピアの喜劇『お気に召すまま』をインスパイアしたと云われる。
叔父に財産を奪われ、男装して森に逃げ込んだロザリンドが、貴族のしがらみから解放され自由に生きることで、かえって『本当の自分』に気づき、大切な恋を手に入れる。
劇中、ウィットにとんだ名台詞が多いことで知られる作品だ。
こんなセリフがある。

All the world’s a stage, and all the men and women merely players.
この世はすべて舞台、人はみな役者にすぎぬ

いい役者になれるかはわからない。でも舞台に立った以上は自分の望む舞台を勤めたい。
いつまでもつかわからぬが、そんな気持ちにさせてもらった。
忘れかけたら、また聴こう。
ステキな曲です。