祇園祭・後祭の宵山に宵山能が開催される。
日時場所党は下記の通り。
祇園祭・宵山能
【日時】令和7年7月23日(水) 18時開演(開場 17時30分)(終了予定 19時)
【場所】能楽堂嘉祥閣(京都市中京区西方寺町160-1)
【内容】1.お話『祇園祭と能』/ 井上裕之真
2.半能『頼政』
《シテ》源三位頼政の霊 / 井上裕久《ワキ》旅の僧 / 左鴻泰弘
【費用】前売券:2,000円 当日券:2,500円(小学生以下は無料だが、要保護者同伴)
【連絡先】TEL 075(706)8166(10:00-17:00)/ FAX 075(256)2883
メール nohgakudo@kashokaku.jp
演じられる『頼政』は『実盛』『朝長』と共に三修羅に数えられる。
戦に敗れた武将の霊が現れ、戦場での苦しみや無念を語る演目だ。
本演目の主人公(シテ)である源頼政は平安時代末期の実在の武将で、鵺退治の伝説を持つと共に当世指折りの歌人だった。
平治の乱では平清盛に味方し、戦後、源氏の長老として重きをなしたが、平家の専横に怒り、以仁王と共に挙兵。
宇治平等院の戦いで敗北し、無念の思いを残し自刃したと伝えられる。
辞世の句はこれ。
埋もれ木の 花咲くこともなかりしに みのりの春の来るを待つかな
今回は半能、後場のみ上演のため、法体の身に甲冑を着た頼政の霊が現れるシーンからスタート。
霊は、挙兵から平等院への逃亡、宇治川を挟んだ激しい合戦の様子、遂には扇を打ち敷き、先述の辞世を詠むまで。
無念の思いを語り終えると、旅僧に弔いを頼み、消えていく、とういう話です。

一番の見どころは、霊が語る臨場感溢れる合戦の様子。
ほとんど床几にかけたままながら、老体で指揮を執る頼政の様子が伺える。
わずかな体や扇の動きに激しい合戦の様子が表現されている。
またシテの面や頭巾も、本演目特有の特殊面と装束なので要注意。

祇園祭 能との縁
ちなみに祇園祭の山鉾には、能楽と縁の深いものが多い。
たとえば表のような山鉾。
ちなみに『浄妙山』の筒井浄妙は、『頼政』のシテの語りの中にも登場する。
『後祭の宵山』も、前祭同様に駒形提灯が灯され、祇園囃子が奏でられる。
規模がやや小さく、屋台はないが、より落ち着いた雰囲気で、幻想的な味わいがあると云われる。
屏風祭や各山鉾の会所飾りを楽しめるので、その流れの一部としてこの『宵山能』もお楽しみ為されたらいかがだろうか?

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