弊店では、クレジットカード、コード支払い(PayPayとかd払いとか)、電子マネーなんでも対応できるよう、KICSという会社と契約している。
1月に入れ替えたCAT(信用照会端末 Credit Authorization Terminal)はなかなかの優れもの。
これまでだと珍しい決済方法を希望されると、できるはずだけどやり方が分からずオタオタしていた私が、気取った顔で対応できるようになった。
80歳を超えた母でさえ、先日カード決済を独力でやり遂げ、「まだボケてへんな!」と自信を持った次第だ。
d払いを希望されたお客さまの決済ができない。
何度試しても全く読み取りをしない。
お客さまがIDカードを出してくれ、試したところ、こちらは問題なく決済できた。
詳しくない方の為に書き添えると、d払いはコード支払い、IDカードは電子マネーに分類される。
IDが決済できたということは線が抜けているということはない。
あかん!
これは故障だと思い、業者さんに事情を伝え、いろいろ試してみたがやはりダメ。
「故障ですね・・・」
「マジかよ! 俺なんも悪いことしてへんで」
昔からの癖で反射的に自己弁護する自分が情けない。
17時過ぎにメンテナンスさんが到着。チョチョイノチョイで修理完了。
しかし、それにしても・・・。
機械が故障するともう私たちには手も足も出ない。救援が来るまで待つしかない。
機械の発達で大変便利になったが、同時に何か起こると、一挙に不便になる。
ネットの普及に伴い、人間の五感がひどく退化しているという意見をYouTubeで見たことがあるが、ネット普及が原因かはさておき、少なくとも機械化文明の進行で私たちの生身の能力は明らかに衰えている。視力や嗅覚、歩く力などは特に衰えが目立つ。
一方で、視力はメガネやコンタクトレンズ、レーシック手術などで補完できる。
嗅覚を用いなくとも消費期限や賞味期限は表示がある。
歩かなくても車やバイク、自転車、電車もある。
不要な能力が退化しただけともいえるし、機械や道具を用いればえば伸長しているとさえ云える。
『退化』より『変化』と云う言葉の方がしっくりするかもしれない。
今後、私たちは『考える』ことのいくらかを、進境著しい生成AIに委ねることができる。
10年前まで頭のいい人の仕事だった税務処理や会議の資料作り、論文執筆などは生成AIでほぼ賄えるようになり、不要になると云われていた肉体や五感を使った仕事、料理や運転、大工、農業、などが人間しかできない仕事として脚光を浴びるかもしれない。
実際、ノルウェーでは『漁師』が男子人気ナンバーワンの仕事だという。
カッコいいというのだ。
ノルウェーの漁業と云えばサーモンの養殖だ。
どうすればうまいサーモンを大量に育てられるか、さまざまな機器を使いこなしデータを測定。
それを正確に読み取り、北海やノルウェー海の漁場を我が物のように走り回る。
頭だけでもダメ、体力だけでもダメ、度胸や判断力はもちろん必要! 確かに男の子なら憧れる職業だ。
CAT一台のことで大袈裟だが、弊店のような小さな町のCDやでさえ、変化を実感する時代だ。
たぶん、新たな産業革命は既に始まっていて、私たちの生活が大きく変わっていくことになりそうだ。