詐欺記事にご注意を!

てんちょ-の時事放談 つれづれなるままに
てんちょ-時事放談

近頃、実在のニュースサイトのデザインを模倣した詐欺記事が出回っている。
新聞社やネットニュースのロゴを(たぶん)無断で使用し、信憑性を持たせている。
私が遭遇し、友人があわや!の危機に陥ったのは、『ひろゆき』こと西村博之氏とサンデーモーニングでおなじみの評論家・寺島実郎氏の対談記事になっていた。

『日本銀行がひろゆきを提訴した!』というセンセーショナルな見出しで、その提訴理由は西村氏がテレビの対談中にいくらかの金(ウン万円)を投資してくれたら、あっという間に億の金にな方法があると暴露したということなのだ。
「ウン? それって犯罪なのか]
とも思うのだが、やはり興味本位でクリックしてしまう。
別に投資する気もなかったが興味本位で読んでいると、読んでいる途中でページが消失。
続きが読みたくてググっているうちに、「あれ詐欺ですよぉー!」という記事に出くわした。
友人は理解力が早いのかスイスイ読み進んで、投資を検討していたというから、バカなのか、カシコなのか、それとも冗談なのか・・・。

今、日本では高校の家庭科の授業で金融リテラシーを学ぶという。
リテラシーというのは特定の分野に関する知識を深め、それを活用する能力を指す。
つまり金融リテラシーとは資産運用や経済の仕組みを理解し、適切な判断を下させる能力ということになる。
しかし高校時代に金に金を稼ぎださせる投資を公教育で教えるのは本当に正しいのだろうか?

大阪市中央公会堂の寄付者として知られる岩本栄之助という明治の大投資家がいる。
彼は1911年に私財から100万円(現在の価値で10億円相当)を大阪市に寄付。
中央公会堂建設に多大な貢献をした。
現在も中央公会堂の地下には岩本記念室があり、彼の銅像や遺品が展示されている。

が一方で、彼は寄付の5年後、第一次世界大戦中の投資に失敗し、大損失を計上。
大阪市では寄付金の一部返還を検討するが、
「一度寄付したものを返してもらうのは大阪商人の恥」
と頑として受け取らず、1916年10月27日、自ら命を絶っている。

私の周りにも時折、汗水たらして働く人、地道な努力を続ける人を、要領が悪い、鈍くさい、あれじゃいつまでたってもあかん!と小バカにする人が出現する。
自分が要領の悪さを見習うこともないが、地道に働く人を小バカにする人を私はどうしても信頼できない。
株や投資テクニックを学ばせる前に、大人が子供に伝えねばならないこと、若い人が未来に向けて学んでおくべきことは、もっともっとある気がするのは私だけだろうか?