【日本の陶磁器】 九谷焼〜JAPAN KUTANI〜の歴史と技法 入門講座

加賀藩特産、九谷焼。Japan Kutani で知られる九谷焼の歴史と技法をご紹介!

 本日は京都・市原栄光堂の九谷焼販売ページにご来訪、ありがとうございまする。たまたま連れ合いが小さな小皿が欲しいと申し、九谷焼の小皿を買い求めましたところ、絵柄(鳥さん)の絵が気に入り、のめり込むことに・・・。仕事で知り合った友人とのご縁もあり、ついに弊店でも取り扱うこととなりました。私自身、九谷焼が好きだといっても、最初はわからないことだらけ。いやいや、もちろんわからんでも好きな絵柄は好き、使いたい器は使いたいでええわけですが、まぁ人間の性。ちょっと語りたくなるわけどす。ってことで、半分素人ではござりまするが、ちょっと知識のおすそ分けどす。お役にたてれば幸いです。
 ちなみに九谷焼・販売部門(コチラ)もよろしくお願いします。

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【索引】 九谷焼〜Japan Kutani〜の歴史と技法 入門講座

九谷焼ってなに?

九谷焼の歴史を教えて。

九谷焼の特徴的技法は?

陶器と磁器はどう違うの?

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九谷焼ってなに?

九谷焼:贈り物・プレゼント・記念品:京都・市原栄光堂 日本を代表する陶磁器・九谷焼。九谷焼は、石川県南部の金沢市、小松市、加賀市、能美市などで生産される色絵陶磁器の総称で、絵柄、技法、窯などによりさまざまな表情を見せてくれる。 江戸時代初期、大聖寺藩九谷村で良質の陶石が発見され、藩命を受けた藩士・後藤才次郎が、肥前佐賀有田で陶技を学び、帰藩後開窯したのが起源と言われる。 本焼きした陶磁器の釉薬の上に、呉須とよばれる藍青色で線描きし、赤、黄、緑、紫、紺青の五彩の絵の具を厚く盛り上げて色付け後、再度焼く、上絵付けという彩色技法で制作される。 古九谷、木米、吉田屋、永楽など多くの画風を今に遺す、表情豊かな焼き物である。もともと日本画・狩野派の名匠、久隅守景の指導を受けて生まれた九谷焼は、大胆な構図で力強く絢爛な印象の作品が多い。 吉田屋窯の青九谷や、宮本屋窯の赤九谷、明治以降の産業九谷の主流となった庄三など、海外でも高い評価を受けている。
 美術品、調度品としてだけでなく、食器やマグカップ、花瓶など日常品としても用いられる九谷焼。毎日のお食事やお茶タイム、くつろぎのひと時を彩る日本の文化をぜひ、あなたもお楽しみください。プレゼントや贈り物にもお奨めです。




九谷焼の歴史を教えて

多くの画風や紋様、絵柄を誇る九谷焼ですが、それは約4世紀にわたる歴史で積み重ねられ、工夫されたものです。時代時代を彩った画風は九谷焼の歴史であるとともに、今もなお九谷焼の魅力となっています。

九谷焼・古九谷:画像古九谷(九谷焼)

1650年ごろ、九谷焼の祖・後藤才次郎が江沼郡九谷村で開窯した初期から受け継がれる九谷焼の画風『古九谷』。才次郎の窯は100年後廃窯されるが、古九谷の上絵付は、その後の九谷焼すべての基となった。赤・青・黄・紫・紺青の五彩を用い、 当時の狩野派の名匠・久隅守景が指導による大胆な構図、伸び伸びとした自由な線書、豪快な力強さが魅力の男性的画風。


九谷焼・木米風木米(九谷焼)

古九谷廃窯の約80年後、北陸の雄藩・加賀藩が、古九谷を参考に、金沢に春日山窯が開く。京都の画家・青木木米の指導により、下地や全面に赤を施し、五彩を以て中国風の人物を描きこむ、 後に木米とよばれる和やかな画風である。九谷焼最高のきっかけとなった画風で、今もファンが多い。ちなみに青木木米は、野々村仁清、尾形乾山とともに全国三銘陶と称せられる。


九谷焼:吉田屋風吉田屋風(九谷焼)

加賀藩・木米の成功をうけ、かって古九谷が栄えた大聖寺藩の豪商・吉田屋は、古九谷の技法である青手古九谷の塗り埋め様式を再興。古九谷の再興をめざした作風で、古九谷の画風を最も受け継ぐ作風といわれ、 赤を除く青・黄・紫・紺青の四彩を用い、花鳥、山水、小紋、草花などを描きだす。小紋を地模様風にし、器全面を絵の具で塗り埋めるなどすることで、重厚さを高めている。


九谷焼:赤九谷・飯田屋風飯田屋風(九谷焼)

赤九谷、九谷赤絵の名で知られる九谷焼の画風『飯田屋風』。天保年間に吉田屋窯を引き継いだ宮本屋窯で生み出されたと云われる。赤で綿密に描きこまれた人物絵の周りを、 小紋などで埋めとくし、所々に金彩を加え込んでいく。赤絵綿密描画とよばれる精巧な画風で、漢学の影響で、竹林の七賢人など、中国の風俗がいきいきと描きだされる。


九谷焼:赤九谷・永楽永楽(九谷焼)

江戸時代末期(慶応年間)、御室窯で知られる京都の名工・永楽和全を招き、京焼の手法であった金欄手手法を取り入れて発展した画風。全面を赤で下塗りし、その上に金のみで彩色した豪華絢爛な画風で、 永楽和全の名前から『永楽』。金襴風とも呼ばれる。花鳥獣虫を一筆書するのが特徴。おめでたい席や贈り物には最適。


九谷焼:九谷庄三庄三(九谷焼)

明治以降、『ジャパン・クタニ』と呼ばれた画風『庄三』。絢爛豪華な絵柄は海外人気も高い。古九谷・吉田屋・赤絵(飯田屋)・金欄手(永楽)など九谷焼のさまざまな手法を間取り方式で取り入れ、 まだ目新しかった西洋絵の具(顔料)で、花鳥人物物山水綿密に描きこむ。名工・九谷庄三の名を冠した彩色金襴手で、明治以降の産業九谷の主流となった。





九谷焼の特徴的な技法は?

九谷焼は、絵付や紋様が一番の魅力の陶芸だと思います。前述の 【九谷焼の歴史を教えて】 でも紹介したように、時代時代で様々な技法や画風が取り入れられ、それが今も生きている。ですから九谷焼の絵付けというのは非常に裾野が広く、一言で言い表せないのだと思います。海外の方は明治以降のJapan・Kutaniの印象が強く、庄三(九谷庄三が中心となり工夫した九谷焼の画風で、それまでの古九谷、吉田屋、飯田屋、木米などを画風を総て取り入れている。九谷焼のサン・サーンスのような作品)が九谷焼と思いこまれているようですが、もっと奥が深いです。ここでは 【九谷焼の歴史を教えて】 では紹介できなかった技法を紹介します。

九谷焼:青粒青粒(九谷焼)

大正時代に広まった九谷焼特有の彩色技法で、地色の上に、青粒と称する細かい緑色の点の盛り上げを並べ、鮫皮のような質感を与える。粒の大きさや色、間隔の均一さなど緻密な技術が要求されるが、 落ち着いた重厚感と品のよさが与えることができる。青粒のほかに白粒、金粒もある。


九谷焼・彩釉彩釉(九谷焼)

優美で鮮やかな絵柄を描き出す九谷焼の技法。赤、青(緑)、黄、紫、紺青、の五彩の釉薬を重ねて塗ることにより、色彩の変化を楽しむことができる。段階的な色彩の変化が感じられ、 スマート感や嫋やかさを演出することもある技法で、九谷焼に新しい表情を与えた。


九谷焼・金彩釉裏釉裏金彩(九谷焼)

通常、九谷焼の金彩は、釉薬の上に金を貼り付けるが、この釉裏金彩はその名の通り、器に金粉や多彩な形にカットした金箔を貼り、その上から透明な釉薬を掛けて焼き付けている。 釉薬を通して金が浮き出て見えるので、金の輝きが柔らかく品がよい。絵柄の雰囲気も和らかく感じられる。


九谷焼・銀彩銀彩(九谷焼)

銀箔を貼り付けた上に透明釉薬や五彩の釉彩を塗り、焼き上げた技法。銀箔が剥がれないうえ、錆びないのも利点である。釉裏金彩と共に絵の調子が柔らかく、上品さが漂う。 力強いというより美しい九谷焼で、現代風ということもいえるかもしれない。


花詰(九谷焼)

敷き詰めるように配された彩り華やかな花々を金で縁取り、まさに花畑を詰め込んだような絵柄。個人的にはちょっと絢爛過ぎるが実際にモノを見ると細かな模様で構成された図柄なので実際はさほど派手には感じません。 女性らしく絢爛な趣が特徴的な色絵技法。





陶器と磁器はどう違うの?

 陶器は土(陶土)で作りますが、、磁器は石を細かく砕いた陶石を主原料にしています。石ですから、気孔がほとんどなく、吸収性がありません。質の悪い陶器ですと水漏れなどもあるのですが、磁器ではまずないと思います。 磁器は1300度以上の高温で焼き上げるので、釉薬を塗って焼くと、釉薬がボディの器の中まで浸透して、なんとも美しい色合いになります。透光性も生まれるので、透かすと、光が抜けてきます。指ではじくと、キン!という金属音がします。一種の金属みたいなもので硬度はけっこう高いのですが、割れやすく、脆いという特質があります。 一方で、陶器の硬度はとても低く柔らかいのですが、弾力があるんだと思います、落としても無事、ということもけっこうあります。 私は記憶がないのですが、ご年配の方によると、昔の国鉄車内でお茶を買うと、益子焼の陶器に入ってきたそうです。消耗品として安価だったことに加え、少々揺れようがぶつかろうが割れなかったんですね。
  下世話かもしれませんが、陶器に比べ磁器は高価なものだったようです。石川県の伝統工芸品では、陶磁器の九谷焼だけでなく、輪島漆器や山中漆器も有名です。昔は金沢漆器というものもあったようですが、 加賀藩・前田家が明治維新でいなくなると、金沢漆器もなくなってしまったそうです。漆器や磁器は手間がかかるので、それを支えるスポンサーが必要だったのかもしれません。昔、大学時代に金沢から来た友人がいたのですが、 財閥解体のせいで、北陸の陶磁器や漆器などの伝統工芸品産業の経営が苦しくなったと言っていたことがありました。難しいものですね。


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